
【 シニアソムリエがいる聖地へ 】
Nadjaのことを調べていると、いろいろな人から見たNadjaの記事が出てくる。フジマルさんが親以外に人生の師匠、と仰ぐシニアソムリエ、米沢伸介さんがオーナーソムリエであるビオワインバー。
この日はシアーシャローナン祭りが自分の中で勝手に開催されていたため、大阪ステーションシネマで「アンモナイト」を見ていた。こういった、あまりにも青い水晶体が画面いっぱいに押し広げられる美しい映画を観た後は、ゆっくりとブドウを醸した液体で思考を巡らせたい。
阪急電車に揺られ塚口という、サンサンシネマに行くためにしかおりたことのない駅から15分ほど歩き、住宅街に、本当にこんなところにあるんだという驚きのナジャへ。
扉を開けると目の間には圧倒的物量のダンボール箱。音楽が流れているのに静かな空間。ずらりと並べられたワインのボトルから立ち上るワイナリーのような芳香に、飲む前から酔っちゃいそう。
1:北欧のシードルレボリューション
私がよく好んで飲んでいたフランクフルトのアップルワインのような酸度のでた、そうそう!これがシードルというかシードラというか、リンゴを醸したワインだよね、というナチュールシードラ。独特の香りの淡い濁り。泡を頼んだらまずこれが出てきました。これぞまともなシードルである。
2:オーストリアのロゼ NIvir
おもちゃみたいな赤色で、その香りは体験のしたことない芳香。色と味、香りが一致しない面白さで、口に含むと多層化(4段階ぐらい)味が変化してゆく。ゆっくり飲むと時間の経過につれて一体感が出てくる。これぞ、ナチュールの面白さ。赤ちゃんもぶどう踏んでます。
3:オーストリアの白
絶賛濁りのシュメルツアー、ビッグネイチャーホワイト。現代的本流である濃厚白。ぶどうはグリューナーベルトリナー/ヴェルシュリースリング/ショイレーベ、オーストリアの品種は複雑だけれど、とにかく美味い。気候的にもうブルゴーニュとかあったかすぎて、ということで、やっぱりいまオーストリアの白ワインはすごく美味しいよね、という話。
4:10Rの赤
驚きのとあるワイン、10R。もうブラインドテイスティングして、これが国産とは絶対に思わないわーという”タイヤマン”シリーズ。ブルースガットラブ氏が北海道の空知で、実験的に醸すワイン。カスタムクラッシュワイナリーとう言葉を初めて知る。衝撃的な赤。ブルースやばいすごい天才。
5:ヴィニヴィチヴィンチのピノ
愛してやまないヴィンチのブルピノナチュール。興味深いエチケットの女をイメージして飲むと、驚くほどの華やかな香りに包まれ、エチケットの女のイメージが一変する。もちろんガチガチのナチュールなので、味はどんどん変化してゆくのが、また、その女のようでもあり、人間臭さであり、本質なのではないかとおもう。なるほど、これはアンモナイトで主演のケイトウィンスレットみたいなワインなのだ、タイタニックから年月が過ぎ背中もずいぶん大きくなったけど、だから?そういう何十年かの人間の経過のように香りが変化する、っていう話。
6:マンハッタントランスファー
要するに、アテ一つを取っても非常に手が込んでいるのである。
とにかくワインが好きで、今一番先端であるところのワイン(というものを寝かしていたのがすごい)が好きな人にとって、これほど幸せな空間は、、、、そう、行ってみればわかります。わざわざ足を延ばすべき素晴らしいワインバー。
全くもって素晴らしい。料理が出てくるのに時間がかかるって?サービスが遅いって?バカおっしゃい。そんなつまらないことで云々言う人は、ワインの素晴らしさを味わうことも体験することもできんのです。
アホみたいに手間暇かけて醸されたぶどうの酒を、時間をたっぷり使って飲みましょう。とにかくゆっくりと。パリの酒場のように。醸造家を検索したりして、そのワインがどんなテロワなのかを楽しみながら。