富田林駅から徒歩40分ほど、バスなら15分、ちょっと遠いですが一度行ってみたかったお店です。 山に囲まれたこの場所、周囲はひたすら畑ばかりで少し道を迷ったら帰ってこれなさそうな地域にそのお店はあります。平日は農業を営み、土日のみパン屋を営業する「米夢（まいむ）ちゃん」です。 周囲に何もない場所に小屋のような家屋がありそこが工房＆カフェになっています。並ぶパンはどれも素朴で手作り感溢れるオリジナリティを出した物ばかりで農家特有のオーガニック傾向。故に都会のド真ん中にあるようなオシャレで美々しいパンではなく優しい家庭の手作りパンと言った風情です。 更にこのお店には猫が2匹住み着いておりテラスハウスでまったりしてる事が多いです。お店のお姉さんにお猫様ご尊顔の撮影許可を頂いた後、にゃんこに指を出して匂いを確認後の顔擦り付けの匂いつけで「苦しぅない」とこちらも許可を頂きました。帰りは一緒に出てきて途中までお見送りです（偶然ですが ^_^;） 【イチゴ】（要予約：時価） 値段は収穫した時の状態で変化し500～800円くらいの幅で変動するとの事。私の時は1パック600円でした。 これが農家のイチゴか・・・と食べた瞬間に感心してしまいました。ふにゃっとしておらず、食べた瞬間にシャクッという小気味良い歯応え、そして大量に溢れ出す果汁、何もつけなくても甘い、しかもデカい。これが1パックで600円ならスーパーでは買えませんわ。 とりあえず帰りに泉北堂にも寄ったので食パンを買い、このイチゴを生かす為にイチゴサンドを自作して溢れんばかりのイチゴの果汁をたっぷりと堪能しました。 あとこのイチゴは完全予約制ですが数日前では予約で埋まってる事が多く、できれば1～2週間くらいは余裕を持って予約しておいたほうがいいかと。 【イチゴジャム】（550円） 普段はあまりパン屋さんでジャムやコンフィチュールを買ったりはしない私ですがここに来たらこれだけは絶対に買うと決めてました。いちご農家が作るイチゴジャム、これが不味いわけがないのです。 果肉ゴロゴロと銘打つだけあっていちごの果肉がたっぷり詰まっており、どちらかと言うとコンフィチュール寄り。コンポートほど丸ごと果肉を残した感じではないですが確かな甘みに乗せた新鮮な酸味、これらの甘酸っぱさが市販のいちごジャムでは表現できない域に達しており使うのが勿体無いほど。 【パン類】 このお店は米粉を使った米パンが大半を占めており、例えばクロワッサンでも生地は米粉だったりとコンセプトは一貫。使ってるフィリングも手作りで、中でも自前のイチゴを使ったフィリングはフレッシュさがあり自然な甘みが特徴です。イチゴのクロワッサン（80円）もオイリーさは一切なくサクサクな食べ応えの中にイチゴのほんのり爽やかな甘さを持たせる。 また農家特有の健康への配慮が色濃く反映されるパン作りは全体的にシンプルな味わい。色合いも全体的に淡く発色などには気を使いません。照りを出す為にうわぐすりとして表面にバターやシロップを塗ったりするような事はなくただただ自然のあるがままの発色。食指が刺激されないパンが多いのも特徴。 ですが食べてみると意外とイケるパンが多く米粉パンの特徴なのか全体的にもちもち傾向。フィリングなども甘さなどはしっかり乗せているのでオーガニック寄りのパン屋にありがちな拘りを重視するあまり嗜好性を犠牲にするような事がないのは嬉しい。 総評です。山と畑と綺麗な空気しかないのどかな場所にイチゴ農家のパン屋さんあり。菓子・惣菜パンがメインながらオリジナリティ溢れる創作パンが多く、イメージとしては「世俗に染まらないパン作り」まさにこの一言。 一流のパン屋さんが作るような立派な造形、味わいではありません。しかしそこには農家さんならではの健康に対する真摯な想いが込められています。米粉中心の生地はもちもちで雑味なく、フィリングも自前の素材で作り上げるなど「農家としてできる事」が汲み取れます。 『自然に囲まれたこの場所で、鳥の鳴き声に耳を傾け、旬を楽しみ、新鮮な野菜をたくさん食べてもらいたい』（HPより抜粋） これが米夢さんが提唱するテーマ。ハイレベルなパンを食べに来る場所ではなく、都会の喧騒を離れ、静かな自然の中で優しいパンを食べて英気を養う、ここはそういう場所です。更に農家が育てたイチゴとそれを使ったイチゴジャムの滋味深さに自然ありのままを頂く感覚。これこそがオーガニックと言えるでしょう。 アクセスは良好とは言えないのでパン目当ての遠征ではなく富田林を味わいつくす気分で散策ついでに寄るのが正解かも。運が良ければ看板お猫様にも会えるかも？ごちそうさまでした。 #イチゴ農家のパン屋さん #オーガニック #猫と自然
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