お出かけ好き という言葉はないかもしれない。旅行好きとまではいかないが、自宅にこもっているのを可とせず、なにかと外へ出たがるものをなんとなく『お出かけ好き』といっているだけなのだが、じつは若いころの両親がまさにこれで、日曜日ごと弁当を作り自分の子どもはもとより、兄弟家族や近所の子どもまで引き連れては、日帰りであちらこちらへと出かけたものだ。 週休2日などだれもが知りもしなかった時代のこと、よくやったなぁ若かったなぁうちの両親。そして子どもたち、とくに私はどこに行ったか、何をやったか断片的にしか覚えていない。まことに親不孝な息子だ。 そういう両親をもったためなのか、私はものの見事な出不精なのだ。…だから太っているのか、という声が聞こえてきそうだが、肥満は生まれつきだから関連性があるはずもない。 そもそも出かけるのは嫌いではないのだ。長距離は好まないが、先方へ出かけてあちらこちらを運転して回るのも苦にはならない。ではなにが嫌かといえば計画するのが面倒でならない。お出かけ好きの両親だって、行き当たりばったりのことしか出来ないのだ。私が出来るわけがない。 そして夏のある日、娘を伴いお出かけだ。 雨のあと、雲はたちこめむし暑い中であった。であれば涼を得たいと思うのは人の道として当然であろう。目指すは飯綱町へ。まずはいいづなアップルミュージアムへと向かう。飯綱町特産のりんごを扱った博物館だが、そのりんご愛のぶっ飛び方に、私のおたく気質を色濃く受け継いだ娘にも大受けであった。 アップルミュージアムを観終え、施設を出たところでほどほどのランチタイムである。どこで食べようか。飯綱高原へ上がろうとも思ったが、しばらくぶりに野尻湖へ向かう。ナウマン象発掘でも知られる野尻湖は平日ともありとても静かだ。 「+コハクテラス」 野尻湖畔にある宮川旅館という施設の一部を改装して作られたカフェだ。2019年4月オープンというから1年と少し経過した事となる。店内は既設の古い柱や梁をうまく利用したシックなインテリアとなっている。地場作家のものであろうか、陶器やガラス食器の販売もされている。片隅のジュークボックスからは70〜80年代のポップス、いや歌謡曲が流れている。両親の子供時代の音楽を聴いておたく娘が妙に喜んでいた。 「ピザランチ」1540円 サラダ、スープ、ドリンクにピザの食べ放題がついてくるという静かな湖畔に似合わない豪快なランチだ。ピザは8種用意されている。店の方にお願いしてその都度焼いてもらうシステムだ。1枚ずつ用意してもらう事も可能だが、1枚に幾種類かを同時に作ってももらえるという事なので、最初は4種盛りとしてもらう。 1st ピザ +コハクピザ こちらの定番ともいえる存在。ソーセージ、ピーマン、コーン、玉ねぎをトマトソースで焼き上げたもの。もっとも『らしい』ひと品だ。 和風きのこネギマヨピザ エリンギ、マイタケ、ネギそしてマヨネーズを用いたピザ。マヨネーズなのにバッチリ和風というのが小気味よい。 マルゲリータ トマトソースとモッツァレラチーズという王道ピザ。トマトソースあっさりでよい 季節限定 ズッキーニとヤングコーン 旬真っ盛りのズッキーニに青くささの残る生のヤングコーン、野菜の旨みがしっかり。美味い美味い美味い。 そして2枚目へ。 おかわりは残りの4種を焼いていただいた。 2nd ピザ レンコンのきんぴら海老マヨピザ そのままご家庭で登場する甘いレンコンのきんぴらをのせたもの。海老もマヨもあまり感じないが好感のもてる存在。 キーマカレー カレーのグレードが高くとても美味い。ただ、これはご飯で食べたかった。 お好み焼き キャベツ、コーンにお好みソース、鰹節というそのまんまピザ。とはいえけっこう品よく納まっている。 くるみメープルピザ くるみとチーズが素晴らしくマッチングしている。そこに淡くメープルシロップ。このほどよさはスイーツではなく一般のピザといっても充分通ると思う。 生地は薄めのアメリカンタイプでとてもさくさく、チーズもあっさりめで軽く食べられる。ハーフ&ハーフや大きさの調整も対応してくれる。じつにご機嫌な店だ。 という事でプチお出かけは完了。次はどこへ行こうか。
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ランチはピザが食べ放題 最高のロケーションで のんびり出来る隠れ家的な お店です。