
20世紀の話である。私の担当するお客様が柏崎にあり、いつもここで昼食を食べて営業に向かうのであるが、煮物、焼き物、お造り、ご飯に味噌汁、量も質も毎回大満足であった。そして季節になると「いさざ」と呼ぶシラウオの躍り食いも楽しめる。腹もくちくなってハングリーさがなくなってから、取引先と交渉してもこちらの思い通りにならないのが常であった。
シラウオは店内の水槽に泳がせてあり、それらを数尾掬い小鉢に入れて出してくれる。それを箸で掴み醤油皿に浸す。初めて食べた時には、箸に摘ままれたシラウオを観察しようとして、身をよじらせるシラウオから醤油が撥ねてワイシャツに染みを作ってしまった。
今回辿りついた時は、昼の中休みの時間帯なので食事をしていないが、Rettyでは「食べた店」ではなく、「行ったお店」を投稿できるのでご笑覧いただきたい。
蛇足であるが、柏崎名物の「明治饅頭」の店も倒産してしまい、駅前には、20世紀にはなかった御菓子のブルボンの本社ビルが建っていた。まるで浦島太郎の気持ちである。駅前は寂れていたが、おおはしは生き残っていたので、もう一度行って食べてみたいと思うのである。