期待を裏切らない。 これを実現するのは容易ではない。 期待は勝手に膨らむし、好みや欲するものは不変ではないからだ。 しかしそれ故、常に期待を上回ろうと切磋琢磨するのが職人の性であり、 その気質が店と訪れる者の信頼関係の架け橋となる。 今回はこの場をかりて、ここは信頼関係を結ぶに足る店であること、 ご共有させていただく。 始まりは、以前お邪魔した駿河屋賀兵衛の川崎アゼリア店での会話にある。 どうも元々は、神田の万世橋の店が一号店であるとのこと。 ちょうど神田の周辺は散歩エリアであるし、立ち寄ることとした。 万世橋のマーチエキュートは場所柄そう古くはない。 この店自体も同じはずだが、まるでずっと神田にあったかのような馴染み方は、 入る前から楽しませてくれる。 ちょうどお昼時だったので、新しいメニューという、 黄身醤油漬け鮪丼と、それに合う酒を注文した。 料理に合わせ、楽しませてくれる酒を出してくれることは、 川崎アゼリア店でも経験済みだったが、この店でも健在であった。 いただけたのは聖(ひじり)という群馬の袋吊りの綺麗な酒であった。 丼の味も黄身のまろやかさが鮪と抜群にマッチし、 差し味としてラー油がいいアクセントとなっていた。 食感も様々で、ねっとりした鮪に、カリッと胡瓜が顔を出せば、 サクッと余韻を添えるアオサと、食べていて楽しい逸品だった。 余談だが、写真の丼の側にあるのは知恵の輪であり、 なんと見つけた人だけが遊べる、店の遊び心の一つであった。 (全ての席にあるわけではないようだ) その後新ゴボウと行者にんにくの酒盗きんぴらなど、 この店の真髄である塩辛や酒盗とのマリアージュを満足いくまで楽しんだ。 全てが期待と想像を越えられるのは、なかなか新鮮な体験だ。 店にかかるBGMも良い仕事をしていた。 そんな中、酒を嗜みつつ、ふと見上げると、 よく造り酒屋の軒先にある杉玉が目に入った。 新酒ができたときに、造り酒屋は蒼々した杉玉を掲げ、 新酒ができたことを皆に知らせたものだ。 お客はそれを見て新酒を楽しんだり、その後も時間が流れ、 杉玉が茶色がかっていく変化を見ながら、 酒の熟成具合を把握しつつ、季節の移り変わりを感じることができた。 もしこの杉玉が真に茶に染まるまで、ここを訪れ続けることができれば、 自分も何か、酒や料理について語れるようになれるだろうか。 四季の移り変わりも、この店で味わうのも悪くない、そんな気持ちにさせる、 なんとも不思議な縁すら感じる、良い店であった。
03-5295-0310
Akinobu Ujinoさんの行ったお店
駿河屋賀兵衛 マーチエキュート神田万世橋店の店舗情報
店舗基本情報
予約・問い合わせ | 03-5295-0310 |
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オンライン予約 | |
ジャンル |
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営業時間 | |
定休日 | |
予算 |
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クレジットカード |
可
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住所
住所 | |
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アクセス |
■駅からのアクセス 都営新宿線 / 小川町駅 徒歩5分(330m) 東京メトロ丸ノ内線 / 淡路町駅 徒歩5分(330m) JR山手線 / 秋葉原駅 徒歩6分(410m) |
座席
席数 |
12席 |
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カウンター | 有 |
喫煙 |
不可
※健康増進法改正に伴い、喫煙情報が未更新の場合がございます。正しい情報はお店へご確認ください。
[?] 喫煙・禁煙情報について |
個室 | 無 |
サービス・設備などの情報
お店のホームページ | http://surugayakahei.com/ |
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