「これ本当に合うん?」が全部「なんで合うねん。」になる店。
大阪でフレンチを食べる。 そう聞くと「記念日かな?」とか「高そうやな」と思う人もいるかもしれない。 でも今回はちょっと違う。 このお店、最初から 「美しい違和感が、美味しさになる。」 という宣言をしている。 違和感を売りにしてくる店、なかなか強気である。 こういう店は大体、 「説明を聞いてもよく分からないけど食べたらもっと分からない。」 という現象が起きる。 しかしその”分からなさ”が楽しい。 今回いただいたコースも、写真を見返すだけで思う。 「これ全部同じ店で出てきたんか?」 統一感はある。 でも毎皿、次に何が来るか全く読めない。 食事というよりガチャガチャ。 SSRしか出ないガチャ。 まずガラスの器に入ったアミューズ。 煙なのか冷気なのか演出なのか。 開ける瞬間からテンションが上がる。 料理というよりイベント。 RPGだったらムービーが始まるやつ。 味は優しく、それでいて香りが立体的。 「おいしい」の前に「おもしろい」が来る。 でも最終的にはちゃんとおいしい。 これがすごい。 続いて緑が鮮やかな前菜。 サーモン、ハーブ、スポンジ状の生地、クリーム。 見た目だけなら現代アート。 正直、最初は 「植木鉢の近くで見たことある色やな。」 くらいに思っていた。 でも一口食べると、香草の爽やかさ、サーモンの旨味、クリームのコクがきれいにつながる。 脳が 「……あ、これ正解なんや。」 と理解し始める。 IQ7の私はここで一度、 「葉っぱって意外と葉っぱやな。」 という感想しか出てこなかった。 あとで冷静になると何も言っていない。 魚料理も美しい。 皮目は香ばしく、中はしっとり。 ソースには酸味や香りが重なり、添えられた野菜まで全部役割がある。 皿の余白まで料理になっている感じ。 自宅で同じ盛り付けをしたら、 「量少な。」 と思うのに、 ここで食べると不思議と満足感がある。 これがプロ。 私がやると冷蔵庫の余り物。 肉料理は火入れが見事。 写真でも分かる通り、美しいロゼ色。 しっとり柔らかく、噛むほど旨味が広がる。 赤ワイン系のソースが肉の甘みを引き立てていて、重たすぎず最後まで楽しめた。 一瞬、 「このソースをご飯にかけたら怒られるかな。」 と思ったが、多分怒られるのでやめた。 理性はまだ残っていた。 そしてデザート。 最後まで抜かりがない。 甘さだけでは終わらず、酸味や香りも重なっていて、コース全体がきれいに締まる。 食後のドリンクまで含めて、 「あぁ、ちゃんと最後まで設計されていたんだな。」 と感じる構成だった。 このお店の面白いところは、奇抜さだけを狙っていないこと。 「コーヒー×とうもろこし」「バニラ×鯛」など、一見意外な組み合わせをテーマにしながらも、最終的にはちゃんと”おいしい”に着地させている。 だから食べ終わったあとに残るのは、 「難しかった。」 ではなく、 「また来たい。」 という気持ち。 イノベーティブフレンチというと身構えてしまう人もいるかもしれない。 でもここは肩肘張らず楽しめる空気感がある。 料理が好きな人はもちろん、 「たまには普段食べないものを食べてみたい。」 そんな人にもおすすめ。 ちなみに私は帰り道、 コンビニで唐揚げを買った。 理由は分からない。 たぶん脳が 「知性をたくさん使ったから、最後は唐揚げで締めよう。」 と言っていた。 IQ7の脳は今日も平和だった。 #阿波座 #フレンチ #コスパ最高
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