だいたい豆腐なんて味のないものが美味いわけがない。なんであんなものをおかずにしなきゃならんのだ。葉っぱと豆のなれの果てでメシが喰えるか!などと食卓で言い放ったら、父親に本気で怒られた事がある、もちろんゲンコツ付きで。その時は豆腐云々よりもおかずに文句をつけた、という理由から叱責を受けたわけだが、まぁ子どものした事なので勘弁してもらいたい。 下町とはいえ東京 新宿区のど真ん中に住んでいたわけだからないものはない、という状況下に育ったのだが、わが家から徒歩数分ほんのすぐそばに豆腐屋があったことは、とんでもなく幸せな環境であったと現在では思う。朝起きて、母親から味噌汁の具を買ってこいと、鍋と50円玉握りしめて豆腐屋へ。おじさんに「味噌汁用に」と言えば水槽に入った、出来立ての大きなほやほやを一人前に、そこから賽の目に切り分けてという行程をみせてもらい。そんな体験が出来ていたのに、豆腐は不味いから嫌だなんて言う小僧はゲンコツくらって当然であろう。 現在でも本当の豆腐の美味さを知っているのか?と問われれば、いまだもってして自信はない。京都 南禅寺の湯豆腐を食べたことがない。福島の凍み豆腐もない、沖縄のスク豆腐も。そういった体験の蓄積や食べ比べの経験がない以上、理解できたとは言えないと思う。だがしかし、確実に美味い豆腐は食べた事ならある、奇跡の豆腐を。 「デンショウ豆腐店」 若槻大通りを北上し、消防署と交番の間の道を入って少し行ったところにあるお豆腐屋さんだ。羽釜を用いて、こちらの昔ながらの方法で作り上げられた豆腐、仲良し家族で作り上げた豆腐ほど美味いものはない。 「木綿豆腐」 ボジョレーヌーボーを「フルーティ」と評しもてはやす者どもに「ならば生の葡萄を食え!」と罵倒したのは海原雄山であったか。となれば豆腐を食べて大豆の香りを語るのは、甚だセンスのない"わかっていない"行為なのであろう。しかし、大豆の香りとは豆腐と化してこそ楽しむことが出来るのだ。この木綿豆腐は、大豆をそのまま圧縮したのではないか、と思わされるほど濃度の高い味わいだ。もちろん、濃度を楽しむための最良の料理は湯豆腐だ。 湯に昆布で出汁をとり、ゆっくりほんわりと暖める。まずは薬味も調味料も用いずに食す。尋常でないほどの香りだ。ポン酢やネギ、鰹節を用いて味変もよい。柚子の用意がなかったのが残念だ。次回は忘れずにいよう。 いつ食べても美味い、大豆そのもの、本当の豆腐はこういう味なのだ、と教えてくれるかのようだ。年末に供されるけんちん巻きも美味い。ぜひお試しあれ。
写真と本文をすべて表示 026-296-5539
口コミ(1)
オススメ度:100%
デンショウ豆腐店の店舗情報
基本情報
| 店名 | デンショウ豆腐店 でんしょうとうふてん |
|---|---|
| TEL | 026-296-5539 |
| ジャンル | テイクアウト |
| 予算 | ディナー:- ランチ:- |
住所
| 住所 | |
|---|---|
| アクセス | ■駅からのアクセス 長野電鉄長野線 / 信濃吉田駅 徒歩27分(2.1km) しなの鉄道 北しなの線 / 北長野駅 徒歩29分(2.3km) 長野電鉄長野線 / 桐原(長野)駅(2.4km) |
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