年2回、松川町水原地区に広大な自生地域があるクマガイソウの開花時期である5月中旬から6月中旬までの1か月と、新そばが出回る9-10月の1か月しか営業しない特殊なお蕎麦屋さんです。行きたい人は、福島市松川町水原地域(松川町行政センターかな?)に問い合わせて、開いている期間をよく確認してから行ってくださいね。 福島市は、日本全国の他の自治体と同じく、町村合併で大きくなっているのですが、このお店がある松川町は、二本松市と福島市の境の山間部にもともと独立した町としてあったのが、大合併で福島市内となったもの。そして農業と林業が生業だったところに、福島大学やら福島県立医科大学やらができ、中心部はある程度住宅が開発されましたが、まだまだ農村地帯が広い。そういうところです。 中でもこのお店のある水原というところは手つかずの自然が広大に残っており、「ど田舎である」ことを売りにしています。「松川町ど田舎宣言」「日本のど田舎」など、開き直りというか捨て身というかなキャッチフレーズで、数々のイベントを繰り出しているのですが、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、という言葉通り、それが結構成功していて、クマガイソウの咲く季節(聞くところによると、自生地としては日本最大規模らしいです)には観光客が県内外から訪れ、たいそうにぎわっています。 そしてこちらの藤八そばは、そのような水原地域のそば打ち上手なお父さんたちが自主活動としてやっている「ど田舎そば打ち会」が開催する期間限定の蕎麦屋ということなわけ。 所詮素人のそばでしょ、と思ったら大間違い。 そもそも福島県のそば打ちは、信州なんかの比じゃないくらい生活に密着しています。私は大学時代に4年間信州で過ごし、そば農家の訪問やインタビューなんかもしているので知っていますが、長野県の街中出身で自宅でそばを打つ人はとても少ない。一方福島県では、転勤族が多い街中はともかくちょっと郊外に行けば、自宅で打ったそばが日常的に食卓に上がる家も多く、そば打ちの道具が普通に家にあったりして、「うちの息子のそば打ちの腕はその辺の店より上手い」なんて自慢する農家の親父さん(そば打ちは男の仕事であるので通常は)が何人もいたりします。松川町出身のうちの職場の子も、そばはお父さんが家で打つもの、だと言っていた。 なんか今書いてて思ったけど、福島における蕎麦って、大阪でいうたこ焼きみたいだなあ…たこ焼きより蕎麦の方がずっと難しいけどね。 で、その期間限定の藤八そばに行ってきました。 場所は水原地区の公民館です。写真のように、そば打ち会が目の前でデモンストレーションしながら蕎麦を打っており、その打ち立て蕎麦を目の前で茹でて、その日の朝、しかもその辺(公民館自体がかなりな山の中にある)でちょっとさっき取ってきました的な山菜のてんぷらとともにいただくという贅沢。これで1200円でした。 6月の営業は終わってしまったので、今度は9月になるわけですが、秋はキノコのてんぷらかなあ。山菜もキノコもその辺で取ってると思うので、放射能が心配な人は食べたくないと思いますが、私はすでに年寄りなので、秋も機会があったら訪問したいなあと思っております。放射能はある程度気にしているけど、気にしすぎても住めないのでね、福島県は。 あ、ちなみに「松川町」で検索すると長野県南部の町がヒットする(町の雰囲気も特産物も似ている)ので、必ず「福島市松川町」で検索してください。
写真と本文をすべて表示福島市にある金谷川駅からタクシーで行ける距離のそば屋さん