更新日:2017年04月14日
モスクワでホントに美味しいと思う日本料理店に出会ったことはない。カジュアルな感じの居酒屋料理を供する店はそこそこあってとりわけ当地の第一人者、荒川シェフ率いる「桜」や「椿」が使い勝手も良くて味も悪くないが、本格懐石料理店や割烹といえる店は凡そ皆無であると断言ができる。今回お邪魔した「青空」という店は立地はイマイチな場所にあるが内装的には格段に素晴らしく行ってみるだけの価値のある店であった。店に入ると料亭のようなしつらえで全て個室になっており商談などに最適な店であった。日本人の須藤さんという方が料理長で今回は席に同席してモスクワの日本食事情を体験を交えて色々と話して下さっなどして楽しい時間を過ごすことができた。 日本のキリンビールやサントリーウイスキーの酔いも相俟って話に花が咲いたこともあり、其れ程沢山お料理を頂くことはできなかったが満足な数時間と相成った。残念ながら須藤さんは既に退陣が決まっており、この「青空」には別の日本人シェフが入るとのことであるから今後の店のことは分からないとの話、此処は素敵な内装空間であるだけに長く存続して欲しいと小生は思った。須藤さんはこの日寿司や天麩羅、出汁巻や烏賊などの料理を小生に振舞ってくれたが天麩羅は中々美味い域のものであった。その他のものは日本の水準からは程遠いが須藤さんの料理愛は十二分に感じることができた。 もとより海外で本格日本料理を提供することは流通の関係から難しいことであるが、とりわけこの北の共産国家のロシア、モスクワともなると食材や調味料を揃えるだけでも困難でまともな出汁すらひけないのが現状なのである。そんな中で日本料理に挑んで居られる幾多のモスクワ在住日本人料理人の方々にあらためて敬意を表したいと思った一夜であった。「青空」は予算1万円程度、雰囲気からすればリーズナブルだといえるだろう。