【 エロスなマグレ鴨にシャンパーニュを。】 やはりフランスにきたらこれを食べずには帰れません、マグレガモです。フォアグラという狂気の暗黒飼育法にて生成される宝石のような食材は賛否両論ですが、バカおっしゃい！フォアグラがダメなら人間が生きること全てが罪である。あのアメリカですら一旦禁止にしたものを反故にした曰く付きのスーパーフード。 文化の深さに畏怖しながら美味しくいただくのが私の本懐。そう、マグレガモ。その、フォアグラを生み出したる聖なる飼育を施された、鴨料理専門店です。 尚且つ店名は鴨とシャンパーニュ、です。日本で言えばあん肝と極上地酒。イギリスでいえばペールエールとフィッシュアンチップ！どうかな。どうだろう。 ランチメニューを見ますと鴨のコンフィとブレストがあって、コンフィ推しのように書かれています、実際このお店の日本語のレビューは鴨のコンフィ美味しかった！とか、こんなコンフィ食べたことない！とか出てくるので思わずコンフィにしてしまいそうですが、私はブレない。皆さんも騙されてはいけません。コレが普通のカモならコンフィもよかろう。 ブレストです。間違いなくマグレガモはブレスト。胸。しかもローストで。コレが、マグレドカナールという料理です。12€。 シャンパーニュは数多く揃ってますが一番安いやつで。10ユーロ。シャキッとブリュットでスパーン！とキレます。まさにマグレガモのために存在するようにそれはテーブルで起立しております。 ややあって、やってきたこれぞマグレガモ。12€とか狂気の安さだわ、、、この量。この厚み。このテリ。実はこれハーフサイズで、フルサイズもあります。フルサイズとか絶対無理だから気をつけて。これはマグレガモ。暗黒飼育法にて育てられた鴨は、脂もすごいのってるから！ もう眺めているだけで幸せ、胸いっぱいです。目頭が熱くなるほどに鮮烈なビジュアル。夢にまで見たマグレガモが今！目の前に。 なんですかねこれは。この、濃厚さ。鴨独特のしっとりとした中にある凝集感。断面を見たら解りますが、凄いんです、ほんと凄いんですよこのコ。サシとか入っちゃったりしてるから。 その味は甘くて豊潤、肥沃で怠惰。この淫靡さは北京ダックでは絶対に出せません。重厚な脂はシャンパーニュが綺麗に洗い流してくれます、それはまるで微睡で見た夢から覚めるように。何という悪魔的コンビネーション！ さて、このお店はパッサージュにあるので実に雰囲気が良く、店内も快適そうなのですがやっぱりこのテラス席。一見人通りが多く躊躇しますが、ベストはテラス。座れば極楽。行き交う人を眺めながら、のんびりと午後の至福を味わうのです。 シャンパーニュを傾けながら。ひー！最高！もうタナトス見えそー！ さらに言うなれば一部の人には朗報です、今現在諸外国軒並み建物内禁煙ですが、テラスは喫煙可です。ので、喫煙家の方は食後の一服でもまた、この濃厚な味わいの余韻を楽しめる事と思います。 フランス人、ほんとタバコ大好きだから。 サイドの野菜はイマイチ。生野菜だといいのにな。ポテトの方がおすすめです。パンも適当な味。とにかく、マグレドカナール一本勝負で。 パレロワイヤルやオペラガルニエからも近い距離にあるので、使い勝手の良いお店です。忘れられない麻薬的な味わいを、今も思い出しながら書いてます。 因みにこのパッサージュには去年まで日本人の二つ星レストランがありました。今はランクを落として別のシェフが引き継ぎビストロスタイルでやってます。そこも、おすすめ！
不明
