2023年1月26日入店 私は66歳。 熊本県南部に住んでいるジジィである。 だが、大昔の昭和50年、私は上京し東京にいた。 齢18歳の時である。 渋谷や新宿、池袋、御茶ノ水駅などの前にはゲバ学生たちがヘルメットを被り集合しアジ演説をしていた時代だ。 そんな東京には25歳までの7年間住んだ。 そして吉野家の牛丼を食べ続けた。 好きだった。 第一米がうまいし牛肉の甘さ旨さを引き立てる醤油臭くない絶妙な薄味系のツユ。 これ以上薄かったらダメというギリギリの味。 だから飽きがこず毎日のように食べられる。 筋金入りのヘビーなファンの一人となった。 しかし運命のイタズラでUターンすることに。 田舎には吉野家がなく、たまに熊本市へ行くときは決まって吉野家の牛丼ばかり食べていたものだ。 そういう状態が実に40年。 そして遂に去年、待望久しく県南の八代市に出店してきた。 私はもろ手を上げて喜んだ。 嬉しかった。 やっとここまで来たか。 八代市までは車で40分。 気軽に行ける。 ワクワクして去年開店して間もなくの時期に入店し牛丼を食べた。 「いただきます!んっ?」 ところがだ、昔の味がしない。 牛肉が余り旨くない。米も違う。 精神的消化不良で退店。 あれだけ待ち望んだ吉野家、そして牛丼。 なぜ満足しなかったのだろうか。 失意のうちに考えてみた。 そして思い当たる。 すき家の存在である。 すき家は、10年ほど前に水俣市に出店してきた。 だから、私は興味本位とあくまで吉野家のダミーとして利用していた。 しかし、やっぱり醤油臭く甘味のない質の悪い牛肉には失望さえ覚えていたくらいだ。 ところが、そのすき家がアメリカ産の牛肉を使い始めた頃から味が劇的に改善された。 そして吉野家の牛丼かと思わせるように急速に味が改善されていった。 だから今のすき家の牛丼は違和感もなく大好きだ。 だがトッピングはただの一度もしたことがない。 まっ、密かなこだわりである。笑 それはともかく、私の舌はすき家と比較していたようである。 結局、ヘビーな吉野家ファンとしては、実にあり得ないことだが、今回すき家の牛丼に軍配を上げたのだった。 でも、それを信じられない自分がまだいた。 あれは、あの時だけたまたま品質が悪かったに違いない。悪い冗談だったかも知れない。 天下の吉野家が味ですき家に負けるわけがない。 そう今まで思い続けてきたのだった。 だから、今回気合いを入れて2回目の入店。 牛丼実食! 完食! 「あれっ?前回と同様に感動がない。あるレベル以上の旨さを感じない。すき家の牛丼の方が旨いじゃないか!」 納得できず不完全燃焼で店を出た。 水俣市にはすき家がある。 もう次はないだろう。 私の残酷な結論である。 こんなことは書きたくなかった。 どうした! 吉野家! せっかく八代市まで出店してきたから応援してやろうと心底思っていたというのに。 今一度頑張ってくれ! ちゅうか、もう一度、熊本市の吉野家に行って味を確認してみたい。
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