
浅草、松屋のちょうど裏手。
大通りにあるネパール料理店の看板。
『ヒマラヤ食堂』
(ニューヒマラヤダイニングバー)
普通のネパール料理店じゃありません。
ましてや普通のインネパ店(ネパール人によるインド料理店)でもありません。
実はここ、昔ながらの町中華とインド・ネパール店が融合した、ちょっと変わったお店なんです。
日本、インド、その他各国で中華の料理人としても重宝されるネパール人ならではの業態と言えましょう。
メインの客席は中2階にあり、隅田公園そしてスカイツリーを望む開放感が魅力的。
さらに少し階段を上がった2階が厨房になっています。
建物の作り自体はかなり古く、それがまた浅草らしい風情になっていますね。
この日は週末のランチ訪問。
ネパール人の家族連れ、欧米系のインバウンド客、そして着物の日本人女性と多彩な客層です。
ランチメニューはワンプレートのカレー、中華の定食、インドのナン&カレー、ネパール定食ダルバート(ネパールターリと表記)と多彩。
まずはこちらをいただいてみました。
★エビチリセット ¥800
エビチリはエビとチリだけという潔さ。
構成としてはガッツリ町中華のメニューですが、そこかしこにネパール人シェフらしさが垣間見えるのが面白いところ。
ネパール料理にも実は中華の影響を受けたチリ炒めがあるんですよね。
こうなると餃子も食べたいところ。
ランチメニューには単品表記がなかったのですがオーダー可能でした。
★餃子 ¥400
おおっ!予想外にジャンボな餃子が5個!
しかもこれが素晴らしく美味しかった。
肉厚の皮の中には肉汁溢れジューシーな肉がたっぷり。
これの餃子はこの店のマストオーダーですね!
となればビールも欲しくなります。
スーパードライの中ジョッキが450円と、この立地にして破格なのにも惹かれますが、やはりここは他でいただけないものを。
★ゴルカビール
度数8%、ネパールのストロングビール。
置いてある店も少ないので嬉しいのです。
★ネパールターリセット ¥1250
こちらはネパールの国民食と言われる「ダルバート」。
「ダル」=豆のスープと「バート」=ごはんを軸にカレーや副菜を合わせたものです。
ここではチキン、マトン、野菜から選べるカレーと、サグブテコ(青菜炒め)、ムラコアチャール(大根のネパール式漬け物)、ゴルベラアチャール(トマトのディップソース)、チャナタルカリ(ひよこ豆のスパイス炒め)、生野菜、パパド、ヨーグルトがついてきました。
カレーはもちろんマトンを選択。骨ごとぶった切ったネパール現地仕様で旨味溢れる辛口テイストが最高。
その他チャナにはガッツリとティムル(ネパール山椒)が用いられていたりと、予測値以上の本格現地式ダルバートです。
なるほど、浅草の中心地でこのクオリティのネパール料理がいただけるなら、ネパール人も家族連れで来たくなるってもんだ。
★ククリラム コーラ割
ネパールを代表するラム、ククリラム。コーラで割ると、私が「世界最高のラムコーク」と愛してやまない一杯に。
クラフトコーラなんかが好きな方には超絶おすすめです。
どうやら夜は様々なネパールの一品料理も提供している様子。
わかりやすいインドのナン&カレーや中華、そしてラーメンなどで一般客を回しつつ、ネパール同胞たちに「ちゃんとしたネパール料理」を提供できる場を確保している。
変わり種レストランに見えて、なかなか考え抜かれたお店なのですね。