
町田駅近くの路地に佇む、小さなイタリアン。 店内は年季を重ねた落ち着いた空間。 派手さはないが、厨房を中心にサービスしやすく考え抜かれたレイアウトが心地よい。 肩肘張らずに過ごせるのに、どこか本物の空気が漂う。 シェフはフランスの星付きレストランで腕を磨いた経歴を持つそうだ。 ◆渡り蟹とモッツァレラチーズのトマトクリームパスタ まずは前菜のマリネ。 ほどなくして運ばれてきた皿には、立派な蟹の腕が堂々と鎮座。 小さなモッツァレラがあちこちに散りばめられ、思わず目を奪われる。 大量の渡り蟹を使い、ヒュメ・ド・クリュスタッセやビスク、デミグラスなどを重ねて仕上げたというトマトクリームソース。 旨みが幾重にも重なり、濃厚ながら品のある味わいだ。 モッツァレラのまろやかさが加わることで、味にやさしい変化も生まれる。 立派な蟹の姿に期待は膨らむが、身をほぐして楽しむというよりは、ソースに凝縮された旨みを味わう一皿。 最後までフォークが止まらなかった。 気取らず本格派。 一皿に込めた想いは最後のひと口までしっかり伝わってきた。