
昼時に電話をすると嗄声の男性が電話口に、かなり訛りの強い栃木弁。14時までに来ないとためだよ〜。裏道をドライブして那珂川町(旧馬頭町)へ行く。武茂川河畔には、風にたなびく蕎麦の幟と里山の風景。河畔に車を駐車。う〜む。時代劇の舞台セットを思わせる店構え。入店すると一組の茨城県日立市からの夫婦と4人の家族連れ。厨房では3人の女性と1人の男性。もり蕎麦の大盛りをお願いします。シンプルなもり蕎麦とつゆの配膳を描いていたが、春に向ってゆくサイドディッシュが添えられていた。菜の花の胡麻和え、柚味噌の大根、じゃがいもの甘煮、白菜の漬け物、ハヤトウリの粕漬け、梅干し。お蕎麦を戴いていると、嗄声の店主が店内で話しているとそこに地元の人が差し入れに訪れた。差し入れは行者にんにくだった。これを天婦羅に揚げるので待ってくださいとの事。え〜!行者にんにくは聞いたことはあっても始めてである。深田久弥著「日本百名山」29至仏山(2,228m)では、”夕方近くで摘んできた行者にんにくを腹一杯食べて、戸外の据え風呂に浸り、素っ裸のまま、長い黄昏を蒼茫と暮れて行く山の姿をいつまでも眺めていた。大らかな感動であった......” 戴いたのは葉の部分。行者というと山伏を連想する。別名をアイヌネギというらしい。行者にんにくは山の恵みであるが主成分はアリシン。「過ぎたるは及ばざるがごとし」大量に食すると腹痛等があるという。少量であるがゆえに効能がある。山伏はそれを知っていると思った。夏は「ゆりがねの梁」となる。歯ごたえのある田舎そば。ごちそうさまでした。