映画監督 大林宣彦の尾道三部作「転校生(1982)」、「時をかける少女(1983)」、「さびしんぼう(1985)」はつくづく名作だと思う。瑞々しい感性の発露、めくるめく映像美というのは当時の宣伝文句だが、間違いではない。俳優陣も良かった。手塚聡美の熟れきっていない肢体はむしろ美しさをいやましているようだった。細身の原田知世は可憐で可愛らしすぎた。三部作を通して登場した尾美としのりのとぼけた味わいこそ彼女たちを引き立てる、最高の触媒であったに違いない。登場人物が私自身とほぼほぼ同世代なので、感情移入しやすいという事もあったが、すべてが「快」に転じた良好な作品群であった。
いつだったか、大林宣彦の軌跡を辿るといった内容のテレビ番組が放映されたことがあった。尾道の医家に生まれ、日本初のCM専門ディレクターとなり、劇映画に進出という華麗な経歴ではあるが、その陰には人に言えないほどの労苦があったのではないか。と、インタビーアーが水を向けると大林が
「まったく苦労などなかった。好きな事やっているのだから楽しくて仕方なかった。」
と言い切ったのがとても印象的だった。
そうなのだ。
好きなこと、好きなものに理屈は必要ないのだ、いや絶対に理屈などではない。好きなものは好き、それだけのことだ。
「福興楼」
佐久市役所にほど近い中華料理店である。消費増税により10月1日より100円値上げされた、というランチメニューも価格も600円であれば、あまりに可愛らしく納得するしかないではないか。
「麻婆ナスランチ」600円
ひと口に麻婆ナスといっても様々な形態がある。単にひき肉の代わりにナスというのもあれば、こちらのように多種多様な野菜類が入っているタイプもある。タケノコ、玉ねぎ、ピーマンなどといった野菜とひき肉、そこに下揚げされたトロトロナス加わるだけで、なぜかくも美味くなるのか。ああナスが美味い、美味すぎる。おれはナスが好きだ、愛してる、抱きしめて眠りたい。なぜ?そんな、理由などあるわけもない。ただ単に好きなのだ。
じつのところ大林作品は、先の三部作以外にはほとんど接した事がない。だってつまらないんだもの。感性の問題なのだろうが、こればかりは、合わせる事ができない。やはり、理屈でとらえられるものではないという事が。
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