
【 母と鰻 】 母を連れて鰻を食べた。私の誕生日だからと母は私に鰻をご馳走してくれた。亡き父の好物であり、母の好きな美濃吉の、鰻である。さすが美濃吉、美味しい。 創業享保元年。京懐石の老舗である。海が遠い京都は新鮮な海の幸が入りにくく、京都の料理屋では、川魚のおいしさを最大限に生かした料理が発達した。江戸時代後期から、「川魚生洲八軒」のちの一軒として、京都所司代より認可を受けているそうだ。 うなぎの蒲焼。白焼きの後に赤酒を使うので甘みのキレがあり、コクがある。 母も鰻を食べた。思えばこの場所に越してきてから40年ほどが経つだろうか。小学校の頃から放課後に買って運動会を催していたデパートは改装を繰り返し、シティモールとして立派なレストランを持つステーションビルとして成立している。 ここから見る川の眺めは、格別だ。 それらは、40年前に屋上に小さく備えられたゲームコーナーのインベーダーゲームをやった後、みんなで屋上から見た景色とあまり変わっていない。 川に沿う生活、というのは、いいものである。