
羊たちの沈黙…。
ニースのテロを風化させないというシェフの思い、ニースへの恩返しのお気持ちを、からだ(胃袋)で受けとめるディナー、しみじみ味わわせていただきました。
フランス農事功労者会の主催されるセミナーは、いつもすばらしく充実しています。
十数年ぶりに解禁されたというシストロンの仔羊、このひと皿は出色でした。やわらかくて脂も美味しい。網脂でくるまれたクミン風味のお肉、松嶋シェフの工夫があるラタトゥイユもすべて。愛あるお皿ですね。
何か大きな流れに抗いかねるような、キナ臭いこの世界ではありますが、迷える仔羊の私たちが、どうか善い方向に導かれて行きますように。祈らずにはいられません。