L’Arcane

らるかーぬ

予算
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不明

【 魅惑の55ユーロデジュネ 】 2016年からスタートしたLarcaneは、2018年に待望の星一つを獲得。当時のレストランは現住所とは異なりまだ小さな、路面店でした。2019年に場所を現住所と移し、その徹底的に整えられた快適な空間は、もう一つ星を獲りにきているのだろうと思えます。 サクレクールの北側の袂にある素敵なレストラン。店内はかなりの高級感です。ワインリストを全ページめくり、一番安いボトルワインを探します、こういうところは変な見栄は張らない主義。堂々と35ユーロのブルゴーニュ、白ワインを注文です。ヴィエイエヴィーニュだから30年以上の古木のシャルドネ100%。適度な膨らみがあって美味い。こういうワインがあるところが一つ星のいいところ。 アミューズブーシュは想像以上に柔らかくて思わず手元で破壊してしまいました。濃厚チーズのタルトです。お皿汚してごめんなさい。 アミューズの二つ目はトラウトエッグ2種と、貝のムース。この貝の盛り付け!シェフはスイス人だったことを思い出しました、緻密な機械時計を得意とする精密国家の威信か。とにかく貝がエロい。これとトラウトエッグにブル白です、どうしましょう。どうしたら良いのか。うますぎてクラクラする。 ポワソンはホタテ。その上に薄く薄くスライスしたアボガドに小さな小さなレッドオニオンがあしらわれております、緻密!サイドを固めるのはラビオリ。ラビオリの下には粘度の高いアヴォカドがありまして、一皿の中に2種の味混合です。完璧に美味い。 パン二個目、出てきました。4種から選ぶのですがどちらも最高級に美味いです。ブーランジェリーのパンを凌駕してきます確実に。 メインは豚肉。この豚肉とビーツの料理、ソースをすぐかけちゃったので写真映えしませんが、ソースは後がけ。かけるところ写真撮らせてほしいですが、そういう矜持はフランスではあまりないのかもしれません。で、肉に対して付け合わせが5-6種類ほどあって、いろんな味を変えながら楽しめる素晴らしい逸品でした。エマルジョン化したソースも今回、ここで初めて出てきたなと。野菜を細かく刻んだコンカッセが付いているのもいいです、パスカルロニョンがこれをやっていて”フレンチはゴミを出さぬ”とおっしゃっていたのを思い出しました。 これと同時に出てきたこの、黒い玉が乗ったソース的なものですが、これがまた、どえらい美味い。黒い玉は野菜で包んだ内臓っぽいもので、脂のある部位です。この出し方、グランヴェフール風。実際コースは前菜、魚、メイン、デザートですが、サイドが結構あるので満足感がすごい。 デザートも、別添えられたゼラチン的なものがあり、ザクロでひもつけされています。甘み、酸味、とハーブ感があり全体の流れとして素晴らしい完成度でした。 もう、非の打ち所がない。と思っていたらプティフールまでしっかり4種類。カンペキ超えてきた。 ここまでずっとガストロノミー寄りの料理を食べてきたのでこういった、しっかり目のフレンチは丁度よかった。ただしこれが続くときついし飽きてくるなというのも正直なところです。とにかく、カンペキに最後まで美味しいし、量的にも充分というかこれ以上食べられん。 すこぶる良かった。想像以上に良かった。あまりに良かったのでシェフの経歴を調べてみたけどあまり情報がない。やっとたどり着いたのはフランスのラリスト、2015年版で世界1位を獲得したスイスローザンヌの三つ星、ブノワ・ヴィオリエを師としていたこと。彼のキャリアはここのコミから始まり5年間で部門シェフまで登りつめています。奇しくも、ブノワ氏は2016年に44歳という若さで他界していて、天才シェフと言われたブノワ氏は、どこかベルナールロワゾーと重なるところがあります。独立直前はランブロワジーのセカンドだったヘキサゴンでソースシェフ。ランブロワジーといえばかのドラマで最近注目されている押しも押されぬパリのトップレストランです。そういった系譜の中にあるLarcaneというレストランでした。 パリは結構平均価格が高いので、しょうもない店に行ってもすぐに30ー40ユーロくらいになるんですよ。それを考えるとレストランのでジュネのクオリティの高さと対コストを考えるとすごいお得なんですね。(ボトルワインもそうですが)但し、確実にこれだけしっかりしたランチをとると2時間くらい使いますし、感覚的には移動も含め半日くらい潰れます。観光したい人とかにはやや向かないのかもしれませんが、”食べることこそ本懐!”という人には本当にオススメで、幸せな1日がこのランチだけで十分感じられるのがミシュラン星付きの素晴らしいところです。 いい気分で階段を上るとそこにサクレクール。パリを一望し、大満足。

akira iさんの行ったお店

L’Arcaneの店舗情報

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住所

不明