
【イランに、250キロ砂漠を走りに行く友達へ】
「出発いつですかー」
「26日っちゃね」
「23日泊まりに行ってもいいですかー」
「いいっちゃよ」
「ほな、皆で壮行会やりましょうー」
「お、そりゃいいっちゃね」
というわけで、イランにある世界一暑いルート砂漠(とにかくみんな世界一が好きなのだ)で行われるステージレースマラソンン、250キロを走りに出かける友人のご健闘とますますのご発展(?)を祈って、乾杯!
全く、イランの砂漠を250キロ走るなんて、なんてクレイジーで夢がある話。ってわけで、彼が選んだのがこちらのお店。なんでもオーナーは東京でビブグルマンのお店をやっていて、ここが三店舗目ということで。壮行会ということで他の友達もきて大にぎわいで、ほとんど写真を撮ってないのは何時ものことです。(宴会になると喋るのに忙しいのであまり携帯を触ってない)プルプルエッグトリュフとか最高に美味いし、鳥料理も最高に美味いし、いやもうなんていうか、ちょっとね、僕もびっくりしたんです。
マジで何食ってもうまかったから。
旅先でこういう店は自分では選ばないし、特にどうしても地元の居酒屋なんてのに惹かれてしまうのですが、ワイワイとみんなで酒を飲むのにちょうどいい感じの店で、とにかく料理がうまいし凝ったこともするし、うほほー!ってなるようなウニとかも出せるし、メニューの構成がとても上手。そして、ワインも廉価にそろってます。しかもなかなかスジがいい揃え方。
さて、お店の話はこの辺で終わりにして、イランの話。テヘランからケルマーンっていうところまでバスで行けばいいって聞いとるんやけどと言うので、テヘランからケルマーンまでを調べたら900キロくらいある。バスで移動とかちょっとヤバくないですこれ?飛行機にしたほうがいいすよ!と、出発2日前に相談するこの呑気さ。
イランに行くのにお気楽すぎ。しかも250キロ走るための靴が、3年前と、4年前にはいたサハラマラソン の靴を引っ張り出してくる。大丈夫かな〜って、大丈夫なのまじでゴム溶けてるけど?ステージレースって自分の食べ物とか荷物全部7日分持って走らないとダメなんですよ。まだ、食べ物とかも揃ってない。必須装備もいろいろあって夜中も走らないとダメなんだけど、ちゃんとレギュレーション見て準備しているのかこの人は?と、いろいろヤヴァイ飲んでいる場合じゃない。飲んでるけど。
そこで25歳が一言。
「イランで7日間走るって、休みどれくらいとればいけるんですか?」
「レース前後あるから2週間くらいっちゃね。そのあと色々あるから3週間休むっちゃけど」
「え、お仕事何してるんですか?」
「サラリーマンちゃね」
「!!!」←意味不明に陥ったところ
「まあ割とビッグレースに出るって言うとだいたい会社は何も言わないすよー」
「ちょっと待ってください、それで会社回りますか?みなさんお仕事とかしてないんですか???」
「してない」「してない」
「してない」「してない」
なんと彼女だけがちゃんと働いているという恐ろしい結果に。いや、いやこれまずい。みんな嘘でもいいから働いてるって言おうぜ。25歳には刺激がきつすぎる、、、「あ、あたしだけちゃんと働いてるとか!!!」....世の中にはいろんな人がいるのです。
イランという国をご存知の方は世の中にあまり多くはないでしょう、アメリカがいつも虐めてるし日本の報道は先ず世界情勢を殆ど流さないし地理的にも遠い国ですが、イランと日本は国交がちゃんとあるので大使館もあります。原油輸出国なのでプラント開発系の日本人は結構住んでいる。そして、イランはもともとペルシャ帝国であって、とても優秀な人材も揃っております。
そう、意外とイランのことをみんな知らない。実は世界有数の親日国なんです。
私が今まであったイラン人はテヘランの美しさを説きました。街から見えるハイマウンテンの冠雪した美しさ。ペルシャ文化の中心地であり、そのオリエンタルな空気感は訪れる者を魅了します、そう、僕たちは案外、いろんなことを知らないで知った気になっている。あんなにアメリカともめているように見えますけど、実際僕が仲良くなったイラン人はアメリカの西海岸で暮らしているし、彼らは彼らで、世界の違ったカテゴリーの中心にいるので、ビジネス的には「日本眼中になし」とマウンティングされたこともあるんですよ。家電と車は日本だけど。
そんな話をしながら大いに飲んで食べて、実にいい壮行会になりました。無事に完走できたら次は完走祝いをしましょう!
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あまりに写真が少ないのでバンバンのすぐ裏にあにある美しい本庄湯の写真も貼り付けました、飲んだ後にセットで、どうぞ。