やまいち

やまいち

予算
~4000円
営業時間外
最寄駅
JR山陰本線(米子~益田) / 松江駅 徒歩10分(740m)
ジャンル
居酒屋 からあげ 刺身 おでん
定休日
不定休
0852-23-0223

【 百名盃 】 太田和彦、居酒屋百名山に送られた百ある盃の一つがこの、やまいちにある。私がしげしげとその、美しい杯を眺めていると「これサービスだから!」と、一合熱燗が出てきた、松江の酒、豊の秋である。其の盃で召し上がれ、と言う寸法であって、器は使ってこそ意味がある、そう言うことである。太田和彦は「いい酒、いい人、いい肴」という基準で日本全国で百の名居酒屋を紹介したが、まさにこのお店はその、3つが完璧に揃った名酒場だ。おまけに、黒豆のたいたん、まで出てきた。程よく甘く豆の味が強い。上手に炊いてある酒の肴である。 やまいちがオープンしたのは東京オリンピックの年、1964年。今は2代目と、実にイキのいいおばあさんたちが店を切り盛りしている。とにかく、明るい。料理は季節感と地物に溢れる素晴らしいものであって、汽水である宍道湖ならではの肴をいただくことができる。 ふきのとう、を炊いたものを食べながら先ずは刺身盛りを。かんぱち、いさき、さざえ、ひらめ。どれもが絶品で、味が濃くて粘質、弾力があり瑞々しく、明確な質の差を感じることができる。特にこの日のオススメのシメサバに至っては、随分太くて脂が乗っていて驚いた。これぞ、シメサバ。というか、思い出す極上のシメサバのうちの一つ、となる味である。島根県沖のサバを使っているらしい。 カニクリームコロッケは早々に売り切れてしまった。実はせっかく松江に来たのだし、居酒屋ホッピングをしようと思っていたのだが、早々にそれはやめてしまうことにして、腰をおつけて飲むことにした。 この店の名物は勿論、宍道湖七珍。「すずき」「もろげえび」「うなぎ」「あまさぎ」「しらうお」「こい」「しじみ」であるが、おでんも名物である。巨大な巾着は様々なものが包まれているし、豆腐のあげは、見るからに太いですねというと、巾着は自分のところで仕込むし、豆腐は豆腐屋に別注で作らせているからね、と答えが返ってきた。おでんは一年中炊いているらしく、実に美味い。松江に来るとのどぐろとかに注視しがちだが、のどぐろよりも美味いものが、実はたくさんある。 特にこのお店で絶対に外せないのがしじみ汁。宍道湖産のやたらと大きなヤマトシジミがどっさり入っていて「えらい大きいシジミですね」と言うと「大きいやつを選別してもらってるからね」と言うことだ。 とにかく、どの一品も逸品で、美味い事この上なし。 早めの客が一旦引きそれらは観光客で、2回転目からは地元の人が集まりだした。お店は9時半まで、と閉まる時間も早いが、それでも持ち帰りを注文したりしながら、活気が失せることはない。シラウオの天ぷら。なんでもシラウオとシロウオは別のものらしく、シラウオは実に弱い肴だそうだ。水揚げしてもシラウオはすぐに死んでしまう、その儚さがいい、と太田和彦は書いている。フワフワのシラウオ。酒を追加。 何を食べても美味しい、胃袋に限界があるのを寂しく感じるほど去りがたい。肉どうふも、鯉の糸づくりも手が回らなかった。このお店に来たのは2回目だが、前回よりも遥かに印象深かったのはきっと、前回は座敷側に座ったからだろう。カウンターの端、お店の人がよくしゃべる席に通された私は幸運だった、とも言える。 百名盃。美しきそのシンプルな盃に酒を注ぐ。まさしく、居酒屋百名山に相応しい、松江の名店である。

akira iさんの行ったお店

やまいちの店舗情報

店舗基本情報 修正依頼

予約・問い合わせ 0852-23-0223
ジャンル
  • 居酒屋
  • からあげ
  • 刺身
  • おでん
営業時間
定休日
予算
ランチ
営業時間外
ディナー
~4000円

住所 修正依頼

住所
アクセス
                                        ■駅からのアクセス                        
                JR山陰本線(米子~益田) / 松江駅 徒歩10分(740m)
一畑電車北松江線 / 松江しんじ湖温泉駅 徒歩19分(1.5km)
JR山陰本線(米子~益田) / 乃木駅(2.8km)                        

                        

座席 修正依頼

カウンター
喫煙 不可
※健康増進法改正に伴い、喫煙情報が未更新の場合がございます。正しい情報はお店へご確認ください。
[?] 喫煙・禁煙情報について
個室

0852-23-0223