【 私はカステルフランコという町に足繁く通っていた 】 飛行機をマルコポーロ空港で降りて、レンタカーを借りラジオのスイッチを入れる。下道を西に向かう。デロンギやピナレロの工場を通り過ぎて小さな小さな、カステルフランコという町に一時期よく通っていた。 休みの日はヴァルドヴィアーデネの泡を飲みに行ったり、グラッパでディーゼルのアウトレット品を買ったり、南に下って温泉にいったり。その時に食べていたイタリア料理こそが、私にとってのイタリア料理だ。 僕らのアイドル、スティーブが、うちの近所になかなかいいシェフがいるから食べにおいでよ、と言う。事前に何か食べたいものを伝えておく方がいいというので私は、真っ先にポレンタと、カルボナーラロマーナ、と言った。特にポレンタに関しては実は、あるはずがないと思っていた。 ら、あった。驚き。ポレンタできますよ!とのこと。ポレンタは北イタリア、ヴェネトあたりでは必ず出てくるもので、旅行者だとチェルビニアと背中合わせのツェルマットあたりで食べたことがある人は多いかもしれない。あまり美味しいものではないので、日本で出てくるのは見たことがない。 メインの肉を北イタリアでまとめてタリアータにするか、せっかく4人もいるしビステッカにするか相談していたら、シェフからビステッカで行きましょうと提案があった。キアニーナ種(トスカーナの原種で非常に希少で高価)、でもいけますよ、という素晴らしいお誘いは怖いので、ご遠慮して。 お店は実は、いかにもイタリアの田舎町にありそうな風体である。現代的イタリア食堂の内装は、実はこんな感じでホテル併設のレストランとかを思い出す。最初に泡をもらって、出てきたのはポレンタ。上にはタラをすりつぶしたブランダードのようなもの。 ついにポレンタが出てきたか!と私は嬉しくなった。ただし、それは私の期待を完璧に裏切っていた。美味しいのだ。ポレンタとは美味いものであるはずがないので、これはシェフのオリジナルである。うまいポレンタに、まさか六甲アイランドで出会うとは夢にも思っていなかった。 にくいのが白アスパラ。これは今の季節例えばドイツでは食べることができない。なぜならば、5月の解禁日までは市場に出回らないからで、法規制があるからである。ポレンタはフリットでも出してきた。美味いじゃない、、、、北イタリアの謎であるポレンタがこうも美味しいと、イタリア人は怒るに違いない。さすがである。 カルボナーラロマーナは、まさしくカルボナーラロマーナであって、ペコリーヌチーズとグアンチャーレを使ったまさしく本物。カルボナーラは絶対に、ロマーナであってほしい。実際カルボナーラロマーナをちゃんと出してくるお店のなんと少ないことか。 なるほど、北イタリアから南下してきてローマまできた。次に出てきたのが1枚目、ビステッカ・ア・ラ・フィオレンティーナ。トスカーナの州都、フィレンツェの名物料理である。まさしくこれぞTボーンステーキ。フィレとサーロインの味を楽しむためのステーキ。見事な焼き具合だ。 実は、最後に厨房を見せてもらったのだがそこに、ちゃんと炭火があった。そう、フィオレンティーナの定義の一つに”炭火焼”というのがあるのだ。これは、まさしく正しいフィオレンティーナ、である。800グラムで用意してくれていたが、あまりの肉のうまさにあっという間になくなった。 実に、見事な火入れ。きちっと熱が内部まで到達している。”骨を焼く”というフィオレンティーナは、骨があることと厚みは非常に重要である。シェフはあまりルポゼ、休ますという概念はない。と言っていたが、実にふっくらとした肉の味わいにうっとりした。 合わせたのは、シェフが持ってきた中の一本、トスカーナ、キャンティのビオワインだった。一口飲んでああ、この人は本当にすごくわかっていると思った。これは私がトスカーナで心震えた本当のタスカン、難しいサンジョベーゼの実にピュアでスムースな赤なのだ。日本ではあまり見かけないこの種のワインが出てくるとは思いもしなかった。 しかも、シェフはこのワインを3400円くらいで出してきた。実は、このワインの原価は2000円を超えていて、原則倍額から法って考えれば非常に良心的すぎる価格である。ここは本当のイタリアか。 ここまで見ていただいた通り、この日私たちはメニューを見ておらず、リクエストに沿ったものを作ってもらったのだが、シェフは”食べたいものを言ってもらったほうがいい”との事であって、しかもそれらのクオリティが驚くほど素晴らしく、これほどまでイタリア的な食事をいうのは、日本で体験したことがない。 本当にびっくりした。そして、それは本当に素晴らしいディナーだった。
akira iさんの行ったお店
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肉の大山 上野店
上野駅 / 洋食
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- ~2000円
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シンシン 天神店
天神駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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ジャッキー ステーキハウス
旭橋駅 / ステーキ
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矢場味仙
矢場町駅 / 台湾料理
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かんだ やぶそば
淡路町駅 / そば(蕎麦)
- ~2000円
- ~4000円
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白熊菓琲
天文館通駅 / カフェ
- ~1000円
- ~2000円
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大衆割烹 三州屋 銀座店
銀座一丁目駅 / 割烹・小料理屋
- ~2000円
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エル カリエンテ モダンメキシカーノ
品川駅 / メキシコ料理
- ~2000円
- ~4000円
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ハングリー ヘブン 目黒店
目黒駅 / ハンバーガー
- ~1000円
- ~1000円
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まんてん鮨 丸の内
東京駅 / 寿司
- ~3000円
- ~8000円
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シェイクシャック アトレ恵比寿店
恵比寿駅 / ハンバーガー
- ~1000円
- ~2000円
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みますや
新御茶ノ水駅 / 居酒屋
- ~1000円
- ~4000円
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豚足のかどや
なんば駅 / 居酒屋
- ~2000円
- ~3000円
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天すけ
高円寺駅 / 天ぷら
- ~2000円
- ~2000円
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無鉄砲 大阪店
今宮戎駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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吉宗 本店
観光通り駅 / 和食
- ~1000円
- ~2000円
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北大塚ラーメン
大塚駅前駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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春駒 本店
天神橋筋六丁目駅 / 寿司
- ~2000円
- ~3000円
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とんかつ マンジェ
八尾駅 / とんかつ
- ~2000円
- ~2000円
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築地すし大 本館
築地駅 / 寿司
- ~4000円
- ~5000円