大阪、黒門市場隣にある福喜鮨本店。
大阪で古くからの江戸前寿司を握る店だ。
http://fukukizushi.com/
創業は明治43年東京柳橋。その後大正5年に大阪に移転。
お店は階段を上がって2階。店内は、鞍馬石の壁面がどーんと。
そして指を洗うための流しがあって
水の流れる音がする、厳かなお店。
現在の親方は3代目山本寛治さん。
息子の4代目山本哲義さんはサポートに回っている。
握るのは親方1人だけ、ヒエラルキーが守られている。
こちらの特徴はシャリ。甘いシャリが多い大阪で、
まったく甘みのない辛口のシャリ。
そこに濃いめの煮切り。古くからの伝統を守っている。
あと、基本的におまかせでの注文。おまかせ全盛の今、珍しいスタイル。
ガラスケースの中のタネを自由に握ってもらう。慣れないと
なかなか難しいものですよね。
とはいいつつ、初めての人に5貫くらいはお薦めも握ってもらえるので、
そこは相談してみてほしい。
この日は握りのみで。
カツオ、鯛(明石)、墨烏賊(和歌山)、牡蠣軍艦(鳥羽)、
甘エビ、蛸(淡路島)
コハダ、ハマグリ、穴子(淡路島)、玉子焼
美味しかったのは皮目を湯引きした鯛。
熟成はさせず当日捌いたものを。甘みと旨みがシッカリと感じられる。
そして名物の穴子。
メソと呼ばれる少し小さいサイズのものを1本丸づけで。
わさびが2か所あるように、2口でないと食べられない。
柔らかな淡路島のアナゴ。ほどけていくシャリと、
穴子の芳醇な味わいが口いっぱいに広がり・・・至福の一貫。
魚は福喜鮨さん専用に入れてくる、どれも上質なもの。
それを惜しみなく厚めに切って握る。
お好みでまずは白身を食べてもらいたいところ。
値段が気になる場合は総額を言ってから、
ゆっくり握りを堪能してもらいたい。
大正時代からの伝統を引き継ぎ、今に伝える。
蛸、穴子、玉子焼とここでしか食べられないものがある。
流行りの寿司屋に行く前に一度は行ってみたいお店です。