なお

予算
~6000円
営業時間外
最寄駅
JR東海道本線(琵琶湖線)(米原~京都) / 大津駅 徒歩2分(140m)
ジャンル
居酒屋 割烹・小料理屋
定休日
毎週火曜日
080-1444-4096

【 現代作家の器 】 「うつわはつこてなんぼ」とは、私が勝手に師と仰ぐ現代美術コレクターにして、まるでモダンアートミュージアム、というかそれそのもののレストラン、世沙弥のオーナーの言葉である。 お猪口を選んでくださいね、と渡された籠の中に、熊五郎。多田せいぞうさんの作品は、白熊が酒で茹で上がっていたりする。お店の扉をパッと開けた瞬間、あ、自分の狙いとちょっと違うかな、という雰囲気があったが、なんのなんの。凄まじいクオリティの実に良い酒場であった。 まず、突き出しの美しさと、それに添えられた湖産の肴。特にこの稚鮎の佃煮が、素晴らしい出来栄え。ふっくら甘く柔らかく、適度な粘度を保つ外皮と、湖産の鮎のなんとも言えない風味にちょっと感動。 刺身盛りも大変良い。きちんと季節感を出してくるし、カツオの状態も素晴らしい。素材感がとても良い。 そして地鶏が2種類。淡海地鶏と近江しゃも(かしわの川中謹製)、である。私は近江しゃも、を選んだのだが、それはもう凄まじい旨味の塊であった。聞けば、メスは165日以上、オスになると180日以上という超長期肥育で、平飼いという健康優良なしゃもだそうだ。 鳥料理は圧倒的に素材の味が出る。もちろん私は近江しゃも、なるものを知らなかったし、こういった”地産の良い素材”をちゃんと用意していることこそが、私が旅先で訪れる居酒屋に最も求めるものである。それにしても、近江しゃものこの、健康的で官能的な味わいは、ちょっと人のある種の概念を壊しかねないほどの味がする。それを、ちゃんと部位ごとに出してくれるのもまた、よい。胸だけやモモだけではない。 そう言ったお店なので、板前さんのおばあちゃんがつけている菜の花の黄金ずけ、なるものが出てきたのだが、こう言ったのはメニュー外で、ちょっとあるけど、食べてみます?というものだった。ここら辺では各家庭で必ずつける、のだそうで、そういう日常にあるうまいものだとか、そういうでティールがある食べ物を出してくるところが、本当に素晴らしい。 お酒も大津の酒を多く取り揃えている。当然のことながらまだ若い大将が蔵元へ行きまくっており、そういうレポートがトイレの壁に詳細に貼られている。 また、ことごとく違う器で出てくる酒器が圧倒的に素晴らしい。なるほど、全体を通してみて、そういう現代的作家が作る器、に注視しているのだなと思ってきいみたら、友達が焼いていて、とか、ともだちが山の方のアトリエで、とか、そういうことのようだ。 さすが、信楽をバックに持つ大津ならでは、である。このお店は奥にテーブル席もあるていど控えているが、そちらに座るとやはり、この酒場本来の楽しみを味わうことはできないだろう。板場の前のおよそ8席が、特等席である。 湖産稚鮎がすごく美味い、といったらもっと食べますか?と、小皿に出してくれた。うちの稚鮎は、入荷したやつの中でも特にいいやつだけを入れてて、それを佃煮にしてるんですよ、とのことで、やはりそれらの確かな腕とセンス、そして、何をお店は標榜しているかという明確な意思の表れである。 それにしても、これだけ湖産にいいものがあるのに、あまり表立って出ていない気がするのは、気のせいだろうか。実は、ぱっと見は普通の酒場のようではあるが、なんというか”きちんと新しいちょっと先を見据えている酒場”というか、多分酒器に特にそう感じたのかもしれないけれど、ありそうでない、そう思える実に素晴らしいお店である。

akira iさんの行ったお店

直の店舗情報

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TEL 080-1444-4096
ジャンル
  • 居酒屋
  • 割烹・小料理屋
営業時間
定休日
予算
ランチ
営業時間外
ディナー
~6000円
クレジットカード
不可

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住所
アクセス
                                        ■駅からのアクセス                        
                JR東海道本線(琵琶湖線)(米原~京都) / 大津駅 徒歩2分(140m)
京阪京津線 / 上栄町駅 徒歩6分(420m)
京阪石山坂本線 / びわ湖浜大津駅 徒歩10分(740m)                        

                        

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席数

16席

カウンター
個室

080-1444-4096