
菊川の地に静かに佇む、特別な夜を約束してくれる名店。一歩店内へ踏み入れると“別世界”へ滑り込むような感覚に包まれます。
食べログ2025日本料理百名店にも選出され、店主は「ふじのくに食の都づくり仕事人」として表彰された名主。四季の“走り・旬・名残”を鮮やかに織り込み、静岡食材の魅力を軸に高みを目指す“新日本料理”を掲げるお店です。
扉を開けた瞬間、木の香りがふわり。
杉の一枚板カウンターは重厚で美しく、その佇まいだけで背筋が伸びます。掘りごたつ席は温もりに包まれ、個室は大人の静寂が心地よい。どの席も“上質な時間が流れる場所”として設計されており、まさに“大人の隠れ家”という言葉がふさわしい雰囲気です。
今回は、世界のワイン界に名を刻む日本ソムリエ協会会長・田崎眞也氏がペアリングワインを監修した
☑️ ペアリング特別コース
をいただきました。料理の美しさ、味わい、香り、演出、そこに合わせる特別なワイン、、、そのすべてが優雅で立体的。まさに“食の芸術”と言える内容でした。
・半熟唐墨と治郎柿 完熟目柿のソース〜マロソル / キャビアをパンに乗せて
完熟柿のとろみが舌にふわっと寄り添い、カラスミの濃厚な塩味がじんわり広がる。そこへキャビアがプチッと弾け、甘塩のバランスが瞬時に整う“上質な調和”。スパークリングワインとの相性は華やかそのもので、最初のひと皿から高揚感が一気に加速します。
・越前蟹のしゃぶしゃぶ 鰹 姫鯛
活きた越前蟹を店主が目の前で捌く臨場感!昆布出汁にくぐらせると、蟹の旨みがサッと引き立ち、口の中で“ぷるん”とほどける甘み。鰹と姫鯛は切れ味の良さが際立ち、海の恵みの深さを感じさせる質の高い刺身。
・越前蟹と松茸の茶碗蒸し 蟹味噌フォアグラソース
なめらかで上品な茶碗蒸しに、蟹味噌の濃厚な旨みが重なり、フォアグラのコクが深く伸びる。口に含むと“とろり”と広がる香りが心地よく、贅沢の象徴のような一品。
・平茸と蛤の土瓶蒸し
蓋を開けた瞬間、豊かな香りがふわっと立ち上がり、蛤の上品な旨みがじんわり体に染みる。平茸の香りも加わり、お出汁の完成度がとにかく秀逸。
・蟹の甲羅焼 蟹身と帆立のフリカッセ
甲羅の中には濃厚な旨みがぎゅっと詰まり、ホタテの甘みとクリーミーなフリカッセが“とろん”と幸福感を運びます。黒トリュフ、バフン雲丹、“もものすけ蕪”で味変でき、ひと口ごとに表情が移ろう贅沢仕様。
・近江鴨藁炙り燻製 五香粉 赤柚子胡椒EXソース ピスタチオダイス
薫香が軽やかに立ちのぼり、五香粉のスパイスと赤柚子胡椒、そしてピスタチオの食感が絶妙な立体感を生み出す。香りの重なりは繊細でありながら力強く、紅茶ニュアンスのブルゴーニュと合わせることで一層奥行きが広がります。
・A5極上フィレ肉低温調理 カシスソース
遠州夢咲牛を昆布で包むことで旨みが深まり、低温調理ならではのしっとりとした柔らかさ。カシスの酸味が優雅なキレを生み、肉の甘さがじんわり浮かび上がる仕立て。
・鴨雑炊 大根 焼葱 黒七味
土鍋で炊かれたふっくらごはんに鴨出汁がしみわたり、黒七味がピリッと上品なアクセント。静かな余韻を楽しむ“締めの極み”。
・コニャッククリームソース 苺赤ワイン漬け
濃厚クリームのコクに苺の甘酸っぱさが寄り添い、余韻の長い香りが広がるデザート。
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頂いたワインは一生誇れるほどの内容であり、その他日本酒などのラインナップも素晴らしすぎて非の打ち所がありません。
総評として、料理・空間・サービスの三拍子が揃い、高級店としての完成度が非常に高い一軒。
季節ごとに趣を変える料理構成は“再訪必至”。
静岡食材に寄り添った“高貴で優雅な新日本料理”を存分に堪能できる名店です。
貴重な体験をありがとうございました。
また伺わせてください!
ごちそうさまでした✨