
バブルの時代に培われた妙な価値観からいまだに離れられない、という方はまだまだたくさんいらっしゃるようだ。バブルが去って20年、途中プチバブルのような状況はあったにせよ、平成も終わりを告げる時代というのに、困ったものである。よほど過去の栄華が光り輝いていたとみえる。東京から運転手つきのスープラ(高級車の主流は外車ではなかった)とばして軽井沢でゴルフ。その後ヘリで静岡にでて高級割烹でマグロ食べてからハイヤーで帰って250万かかった。そんなことをやっていたのだから、忘れられなくて当然か。
別に金を稼ぐことも、使うことも否定はしないし、高ければ高いほど価値がある、お金をかけてこその贅沢というのは絶対的に間違いではない。したがって悪いこととは言わないが、妙な時代であったのは間違いない。そこに違和感しか持てないのは貧乏家庭に生まれ育ったからであろう。
棒の上に人と書いて「上」、下に書いて「下」どちらも片側には行きづらい。だから口の真ん中に縦一本書いて両方に口がきける「中」がよい。ほどほどがよい、というのは古典落語の一節だが、鋭いところをついているとも思う。贅沢なんて、たまに自分の出来る範囲でするのがよいのだ。持たざるものの僻み?おお、その通りだ何が悪い。と、居直っている今日この頃である。
「自然美庵 日本料理 悠善」
長野 丹波島橋のたもとにある日本料理店である。以前から見知ってはいたし、少々高めではあるが美味しくて雰囲気のよいところ、という評判を聞いていたので思い切って訪れてみた。到着したのはオープン直後の11:40ころだ。すでに50歳代後半とみえるマダムたちがたくさんいる。仲良し同士、たまの贅沢とおしゃべりを楽しみにきたということか。
「健彩セット A」1696円
ぱっと見には昔の結婚披露宴のメニュー然とした風情だが
"6種のおばんさい他、美容と健康のバランスを考えたおもてなし膳"
という説明のついたメニューである。
惣菜類は日替わりとの事で、順に
・季節の前菜
じゅん菜酢
青菜とあさりの和え物
さばのカマ焼き
ポテトサラダ
ローストビーフ
道明寺(デザート)
・しょうじん刺身
刺身こんにゃく
・ミニ天麩羅
えび(抹茶衣)
ししとう
かぼちゃ
・小鉢
木耳の煮つけ
・蒸し物
あんかけ茶碗蒸し
・うどん
・サラダ
・お漬物
・ごはん
というまさしく「たまの贅沢を楽しむ」ためのメニューである。どのメニューも手が込んでいてうす味で、ほどよく華やかな気にさせてくれる。ごはんもコシヒカリ、十穀米、十穀米ハーフ、酵素玄米の4種から選択できる上におかわり自由というのだから素晴らしすぎる。
マダムのさんざめきに囲まれてのプチ贅沢。たまにはよいではないか。