ラーメンなるものは 所詮丼もののお供に過ぎない。プラスいくらかで汁もの代わりになるし、一層欲求を満たす事ができるので注文しないわけがない。そんな存在だから具材になにがのっていようと、スープがどうであろうと、出汁がなにで麺が細かろうと太かろうと、どうでもよいのだ。そんな事よりも早くカツ丼の大盛りもってこいや! そんなスタンスであるから あまり気にしたことがない。あるとすれば家内が買い置きするインスタントの袋麺は絶対に塩にせよ!と言い放つくらい。こだわって食べに行くようなものではないのだ。B級グルメがどーのと言われているが、「たかがラーメン」に拘泥してよいのは伊丹十三と東海林さだおだけなのだ。他のヤツらがいくら吠えたたえようと格好がつかない、やめろやめろ素人ども などという内容は すでに幾度も幾度も幾度も書いているがまぁよいではないか。筒井康隆も星新一も、野坂昭如も同じネタで何本もエッセイをものしているのだ。気にしない気にしない。 その後 友人知人から 「お前の考え方はあまりにも偏っている」 「よい歳をして本当のラーメンを知らないのか」 説諭説教恫喝恐喝され連れまわされるにつれ少しは改心し、おおラーメンも美味いではないか!塩ラーメン、味噌ラーメン、豚骨ラーメン、つけ麺に節系と出会った時など驚愕するほど感動したものだ。 そうは言っても 醤油ラーメンだけは興味がわかなかったのは、なんとなく制覇してしまったような気になっていたからだと思う。子どものころは醤油しかなかったとか、食べすぎて飽きてしまったとか、大した根拠性もなく放置していたのだ。 これはマズい と思ったのは先だってなんとなく口にした醤油ラーメンが大変なる美味であったからだ。元はといえばカツ丼のサイドメニューで注文した半ラーメン。カツ丼の完成度も高かったが、ある意味でそれを凌駕するほどの感動を与えてくれたのだ。そして今日はその確認作業としてこちらにお邪魔した。 「タイガー 東和田店」 何年も何年も前から知っていたラーメン屋さん。10日ほど前になんとなく入ってみたところ、古びてはいるが明るくて清潔感のある店内と、その真面目な味わいに感動してしまった。とくに醤油ラーメンが。これはまた食べにこないと。という事でいそいそお邪魔した次第。 「チャーシュウメン」750円 だからといって醤油ラーメンそのまんまを注文しないところがわれながらso cuteなところでもある。まずはこのスープが素晴らしい。鶏ガラベースのさっぱりした醤油スープは飲み干すというよりも溺れてみたい。ほどよく加熱して浴槽を満たし、われとわが身で抱きしめたいほど愛おしい。そしてカンスイの香りがプンプンする、スタンダードな中華細麺を天空の高さにまで引き上げすすりこむ。ああ、う〜めんだよな。というフレーズを知るものはよほどTikTokにハマりこんでいるものであろう。チャーシューはロースの脂身少なめだからプルプルコラーゲン好きには少々物足りないかもしれないが、珠玉の醤油スープに漬け込むと、見事なほど口当たり、歯ごたえよいチャーシューに変貌する。そうだ!このチャーシューはこのスープあってこそのものなのだ。美味い!美味すぎる。 しかしながら、このスープを残すのが忍びなさすぎる。抱きしめたいほど愛おしいスープなのだ。丼抱えて飲み干すのもよいが、ここはもっと素晴らしい処し方がある。マスター!これをください!!! 「ライス」200円 そうだ!カラダに悪いのは100も200も承知なのだ。しかし、このスープを残すことは罪悪でしかない。最初の半分はチャーシューを数枚のせ、スープをかけ静々といただく。美味い!チャーシューと白飯の甘味がベストマッチする。そしてあとの半分はスープをざざざとかけ、レンゲを用いてさらさらいただく。美味いではないか。行儀こそ悪いが、残す方がもっと作法に合わない事であるから気にしない。ああああああ美味い美味すぎる。 美味かった、しみじみ美味かった。 抱きしめたいほど愛おしいスープであった。そしてまだまだここには美味いものがありそうだ。制覇するべき店がここに爆誕した。
東和田にある北長野駅からタクシーで行ける距離の中華料理店

















