ドライブイン ふるさと

• 和食
• 海鮮料理
• ホルモン

1000投稿 Nobukazu Kamehara

ホルモン定食　950円いただきました。 偶然入ったドライブインって言うかアットホームなレストランという感じです。 今まで食べたホルモン定食で間違いなく一番です。おろし生姜が効いていて全く臭みがない。ご飯がいくらでも進みます。

500投稿 Arata Kondo

私にはふるさとがない。 地元といえる場所がない。生まれ育ったところとは現在では縁もゆかりもない。親戚や懇意にしている人がいるわけでもないから、その地に行ったところでなにもない。滞在するところも立ち寄るところもないから面白くもなんともない。  たまに訪れふらふらする事がある、…といっても5年か10年に一度程度の頻度だが、その時に知っている人と出くわす事がなくもない。小学校の同級生◯◯くんのお母さんだ、とか靴屋のおじさんだ、とわかりはするし、向こうもあれ？誰だっけ？という顔をされたりもするが面倒だから黙っていたりする。そうだ、もう40年も経過してしまったのだ。ずいぶんおじいちゃんおばあちゃんになったものだ。私も人のことを言えない程度にジジイ化してしまっているのだが。  喪失感とでもいおうか 進学や就職など、自然に立ち去ったわけではない（夜逃げじゃないよ）から余計とモヤモヤしたものがある。ああ、オレも地元がほしい。そこに行けば父母か兄弟、親戚、幼なじみ、同級生がいておお元気か久しぶりだなと交流してみたい。そんな気がなくもないのだが、東京ほど人の流出入が多い場所もない。現在、その地にいる友人たちはほぼ誰もいない。ふるさと、地元がないのは私だけではないのだ。   「ドライブインふるさと」 千曲市寂蒔 国道18号線沿いにあるドライブイン、というより食堂といった風情の店だ。海老カツとか豚コメカミといった素朴なメニューがあって楽しい。今回はわがふるさとデフォルトメニューとした。   「カツカレーライス」1100円 カツでカレーでライスなのだ。こここそ私のふるさとだ。デカくて厚くて重いロースカツ。玉ねぎ、にんじん、豚コマにくが大量に入ったカレーは、しばらく時間が経過すると膜が張ってきそうな昔ながらの甘口カレー。そして炊き立て熱々ごはん。これは美味い。ソースをじゃぶじゃぶとかけ、皿を傾けかき込み喰らうことは幸せでならない。あはん♪   帰るところがない 東京に行けば母親も兄弟がいるからよさそうなものだが、精神的に座りが悪いのかもしれない。そんな状態で幾星霜、気づいたら子ども2人は巣立ち、今やわが家が帰宅先、ふるさとになってしまったのが、なんだがおかしくてならない。

500投稿 Arata Kondo

「山藤章二のブラック・アングル25年 全体重」 という本を読んでいる。かつて週刊朝日に連載されていた「ブラック・アングル」のベスト100といった内容だから眺めている、といった方が正解か。それにしても現代の戯作者 山藤章二の真骨頂といった作がならんでいる。当時の世相を扱ったものが多いから、今観ると？？というものもないわけではないが、武者小路実篤風に描かれた田中角栄、小佐野賢治、児玉誉士夫の「仲よきことは美しき哉」や、岸田劉生「麗子像」に模して描かれた大平首相なんて大名作だと思う。 山藤章二といえばもう一つの代表作が夕刊フジの百回連載シリーズだ。70年代前半から80年代末にかけて15人の作家、エッセイストと繰り広げられた競作シリーズだ。もっとも有名なのが筒井康隆「狂気の沙汰も金次第」であろう。ほぼ同世代、ほぼ同時期にブレイクした2人のノリノリ丁々発止が面白くてならない。他にも山口瞳や井上ひさし、つかこうへいなどがいた。影山民夫「食わせろ！！」なんて笑い転げ回ったものだ。どこかの出版社で全集的に通しで出してもらえないものか。 吉行淳之介もそのメンバーだった。 「闇の中の祝祭」の凄まじい重量感に辟易として以降近より難く、他にはこの「贋食物誌」以外読んでいないのから余計と印象に残っている。 山藤の吉行は神経質にイライラしていて、こめかみにいつも「 # 」が描かれている。ある回で吉行が「おれはそんなに怒らない」と書くと山藤が木口小平を模して「ヤマフジハ死ンデモヨシユキノコメカミに#ヲ描キツヅケマシタ」とやり返す。こういうところが面白くてたまらない。そして、そんな事を思い出していると、なぜかこめかみとで会うのだから、気絶するほど悩ましい。 「ドライブインふるさと」 18号線千曲市 打沢から戸倉方面へ少し行った左側にある店だ。ブルーカラー専門店然とした大盛り・デカ盛りで有名だ。以前、ソース焼きそばの大盛りを注文したらとんでもない目に合ったのを記憶する。今回は目当てなく訪れたのだが、一点とてもそそられるものを発見した。それは 「豚こめかみ定食」810円 こめかみ、とは文字通り豚のこめかみ部位を指す。ホホ肉と合わせて『カシラ肉』と称されることもあるのだとか。顔の筋肉は大きな動きから細かな動きまで、常に動いている箇所なので筋肉が発達している。したがって脂肪量が少なく旨味が多く、締まったサクサクとした食感である。と、ものの本にはある。 そのこめかみ肉をたっぷりと、塩胡椒だけで炒めたじつにシンプルかつ贅沢な定食だ。そもそも蓋つきの丼メシからして凄みがあるではないか。熱い味噌汁と黄色いたくあん漬けという王道のコンビネーションの向こう側にこめかみの山。サクサクぷりぷりの歯ごたえが素晴らしい。 Kindleをなんとなく探っていたら「闇の中の祝祭」を見つけた。440円、気にする額でもないので購入。少し読み始めたのだが、以前のように文体はあまり気にならないが、やはり重量感たっぷり。名作にうかつに近寄ってはならない。

500投稿 Arata Kondo

"ふるさとは遠きにありて思うもの近くばよって目にも見よ" とは筒井康隆の作である。「狂気の沙汰も金次第」所収だったと思う。戦火で焼失した生家や亡くなるまで修復できなかった父親との関係など、アンビバレントな感情が書かせた。などという文章を読んだことがあるが本当であろうか。いずれにせよ、ノリにノッた作家は何を書いても面白く破壊力がある。  私の場合、ふるさと・故郷といったものがない。いちおう生まれは東京都新宿区だが、わけあって中学3年の冬に出て以降、あちらこちらを経めぐり歩き、ようやく長野に定住して20年が経過したところだから、まったく落ち着きのない人生を歩んできた。 両親（現在は母親だけだが）の在所がふるさとという事であればなくもないが、少々無理があろう。  「東京生まれで江戸っ子江戸っ子と威張っているヤツがいるが、じつは東京者なんてみんな田舎者なのだ」 と喝破したのは誰だったか。江戸・東京は古くから行政都市ではあったが食料生産力が低く、地価も高い。人の流入も多いが、定着出来ないので流出も多い。三代続けば江戸っ子というが、三代過ごすことそのものがすごい出来事なのだ。必然的に田舎者＝地方出身者は多くなる、東京出身者はいつまでも東京にはいられず、ふるさとなど持ち得ようもなくなるというわけだ。  とはいえ、友人知人たちの「地元で◯◯して…」などという言葉を聞くに、どことなく羨ましく感ずるのも事実で、ありもしない故郷に想いを馳せる。などという事もなくはない。  「ドライブインふるさと」 だからといって、そのまんまの名前であるこちらに入り浸る、という事はない。"ドライブイン"なる、懐かしすぎる響きに呼び寄せられ、何年かに一度お邪魔する程度だ。当初はてんこ盛りカツカレーを注文する筈だったのだが、仕込み中ということで別のものを選択することとなった。こちらのソース焼きそばが頭をよぎる。そのてんこ盛り具合は伝説的と言えるのだがやめておこう。いつまでも若くはないのだ。  「えびかつ定食」650円 もっとも専門店的でないメニューを注文。刻んだえびが大量に入った揚げ物は、弁当のおかずというイメージがある。とはいえ、揚げたてはひと味違い、家庭のものとは一線を画す、といってよいと思う。  「海鮮シューマイ」300円 隣席の方が注文したものが、とても美味そうだったのでつい真似してしまった。こちらもお弁当メニューであろうが、蒸したては美味い。ぷりぷりとした食感が小気味好い。  ふるさとのない、帰る場所のない私だが、現在は逆に子どもたちの「帰ってくる場」となってしまった。それが普通、歳を経るという事なのだが、なんだか変な気分である。