油そば専門店 春日亭 渋谷店

まず驚かされるのはそのボリューミーな外観。所狭しと敷き詰められた太麺の上にもやしとキャベツそしてシナチクが盛りつけられ、その上には絨毯のようなチャーシューがふりかけられた真っ赤な唐辛子粉と共に乗っかっている。色鮮やかなその姿にまず目を惹き付けられる。目で楽しむのだ。そして箸をとる。鳥ガラと豚骨からとった(「鳥豚」の名の由来である)春日亭特製の“タレ”。これが悪魔的に美味しそうな匂いを漂わせている。思わず滴りそうになるよだれを引っ込め、静かに、しかししっかりと箸を持つ手に力を込めながら麺とタレを絡ませる。モチモチの太麺ととろみの強い特製タレは相性抜群だ。そして恐る恐る麺を掴み、引き上げ、唇まで持ってくる。…そこで一気にすする！音を立てて思い切りすする。するとどうだ、麺に絡み付いた鳥豚タレの香ばしい匂いが一気に口の中に広がる。そして至極の旨み。大胆な組合せでありながら臭みのない、洗練された旨み。鳥ガラと豚骨が絶妙なバランスでマッチしている。旨くないわけがない。そしてこのタレがまた口の中で麺と良く絡む。モッチモチな食感の中に香ばしいタレが絡み付く。やみつきになる食感と味。もう鳥豚無しにはやっていけない、とまで思わせる。僕をして70回以上食わせしめた最強の油そばが、ここにある。