『手ではなく水で捏ねる』 固茹での半生麺が「コシ」だと言われる昨今、大先輩の職人がまた一石を投じた。 小麦粉は、グルテン前駆体の2種(グルテニンとグリアジン。)のタンパク質を含む小麦粉を水で捏ねるとグルテンが生成され生地に粘りと弾性がでる。 それは胚乳内の貯蔵タンパク質であるグリアジンとグルテニン(グルテニンは、水溶性ではないが水分子と結合しタンパク質同士とも結合する特性があり、コイルのような構造を持つ。)を、水分の介在下で反応させると結びついてグルテンとなる。 すなわち、たっぷりと多めの水を小麦粉に与えて水和させ、グルテニン、グリアジンの力を最大限に引っ張りだしてやる。 水の影響で摩擦も減り、過剰なストレスをかけずに製麺する事が出来るのだ。 でもね、加水率55%の麺を自在に操るなんて事はそうそう出来る事ではない。 僕らが手打ちで打つ麺ですら、加水率50%くらい。 それを機械で作るには、相当難しい仕事となる。 その麺を扱うには、まるで赤子を手に取るように優しく扱わなければならない。 そっと湯に放ち、しっかりと茹で切る事で、えも言われぬ舌触りも喉越しを齎らす。 エロティシズム。 ジョルジュ・バタイユ曰く、エロティシズムとは有限な個体に対してしか現れない。有限な個体は自己中心的であるが、我知らず他者との共同へと促されているのを感じる。このように自己を失う危険を冒しつつ他者との共同へと、肉体的な共同へと、さらにエマニュエル・レヴィナスが肉体の感性的近接性を説明するために用いた言い方で言えば感じるものと感じられるものの共同へと身を溶け込ませようとすることが、すなわち快楽なのである。 身近にある快楽。 小麦製品の世界基準。 それは、しっかりと火を通すこと。 日本蕎麦との違いがここにある。 固茹で主義という古い考えを脱いで、新たな境地を開拓してみるのも悪くないはずだ。 名店というのは、突如現れる。 ご堪能あれ。
阪田博昭さんの行ったお店
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YOU
東銀座駅 / 喫茶店
- ~2000円
- ~2000円
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うどん 丸香
神保町駅 / 讃岐うどん
- ~1000円
- ~1000円
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新福菜館 本店
京都駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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本家 第一旭 本店
京都駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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中華麺店 喜楽
神泉駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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支那麺 はしご 本店
銀座駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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らぁめん 満来
新宿駅 / ラーメン
- ~2000円
- ~2000円
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日本橋 お多幸本店
日本橋駅 / おでん
- ~1000円
- ~5000円
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銀座 佐藤養助
銀座駅 / うどん
- ~2000円
- ~2000円
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黒毛和牛バーガー BLACOWS
恵比寿駅 / ハンバーガー
- ~3000円
- ~4000円
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香妃園
六本木駅 / 中華料理
- ~2000円
- ~3000円
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鳥茂
新宿駅 / 串焼き
- 営業時間外
- ~8000円
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うしごろバンビーナ 恵比寿本店
恵比寿駅 / 焼肉
- 営業時間外
- ~6000円
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ラーメン人生JET
福島駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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ひみつ堂
千駄木駅 / 甘味処
- ~2000円
- ~2000円
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鳥竹総本店
渋谷駅 / 焼き鳥
- ~2000円
- ~4000円
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麺や 七彩
八丁堀駅 / ラーメン
- ~2000円
- ~2000円
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SORANOIRO 本店
麹町駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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手打十段 うどんバカ一代
花園駅 / 讃岐うどん
- ~1000円
- ~1000円
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中国手打拉麺 馬賊 日暮里店
日暮里駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~2000円