更新日:2022年09月21日
ランチもある、ミシュラン一つ星にも輝いた懐石料理のお店
コースを頼み、シャンパーニュ(Bruno Paillard)のグラスに続いて日本酒も頂いた。 先ずは薄い椀で出汁が供され、この店の味の基調を知る。 最初の皿は蓮根餅。供された瞬間に生姜の良い香りが立ち込める。感触はモチモチしており、香箱蟹を使った餡のトロミに陶然とする。 次の前菜は、春菊の白和え、海鼠、金柑、押し鮨など複数の品が盛られており、それぞれに丁寧な仕事が施されている。 椀は出汁が見事だ。スッポンを練り込んだ豆腐や軽く焦げ目を付けた下仁田葱などの具も美味しい。 刺身は、軽く燻った金目鯛が印象に残った。 鰆の焼き物は、味噌の甘味が良いアクセントとなっている。 鰤は標準的な味。 次に供されたのは「のりたまうどん」。文字通り、うどんの上に濃厚な卵、その更に上に磯の香り高き青海苔が掛かっている。意表を突く組み合わせだが、これが癖になるような美味しさだ。 締めの直前は猪鍋。猪は癖も少なく、出汁も濃厚ながら上品だ。これに濃厚な卵の黄身を好みに応じて掛ける。下世話と洗練の狭間で絶妙なバランスを取った逸品だ。
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