
地元民が薦める地元のお店で味わう至福のひととき──「ちょい呑み処 なごみ」 出張先の埼玉県草加市。仕事が順調に進んだ日は、宿へ戻る前に、セルフ式のエールをひとつ。ちょっとしたご褒美が大切。 日曜日に訪れた理髪店B&B。腕のいいイケオジなご主人がこっそり教えてくれたオススメのお店。 駅から少し離れた住宅地の中に、ひっそりと佇む「ちょい呑み処 なごみ」。看板の灯りが、じんわりと夜に馴染む。この雰囲気、わかる。完全に地元の人に愛されるタイプの店だ。 カウンターに腰を下ろし、まずは角ハイを注文。お母さんがにこりと微笑む「あら、少し濃いめに作っちゃったかもしれないわね」——それはそれは、何よりのご褒美。 お母さんの利発そうな瞳の輝き、客あたりの良さ、料理が来る前から、すでに心がほぐれていく。 目の前には広めのカウンター。奥行きがしっかりあって、料理を並べるには最高の環境。まずはお通しの煮豚をひと口。 ほどよい味付け、しっかりとした肉の旨み。 「先生、これはいいお肉。きっとこれはいいお肉に違いありません」噛み締めながら確信する。 そして今日のオススメ、深谷ねぎの天ぷら。「本当にアツアツですよ。抹茶塩で、気をつけて召し上がってくださいね」 一口。まじアツ。激アツ。超アツ。 噛めば、玉ねぎのような甘みがじんわりと広がる。ネギ本来の旨み、素材がいい、調理がいい。とくれさま、塩はほんの少しでいい。そしてこの価格設定、いいんですかね、お母さん。 続いて、ネギチャーシュー。しっかり効いた塩気、酒飲みのための味付け。3人でシェアできるほどのボリューム。いや、1人でいける。いや、いきたい。とくれば、どうしたって酒のおかわりが必要になる危険なやつだ。 少し濃いめのハイボール。控えめに言って、ここならジョッキ3杯程度のちょい呑みは余裕。 心の底から、なごむ。肩肘張らず、ただ美味い酒と肴を楽しむちょっとした時間。 カウンター席で黙々と居酒屋メシを味わう井之頭五郎を見かけたとしても、この雰囲気は不思議じゃない。 出張先で偶然出会った、居心地の良い、静かに輝く名店。いつの日かまた来よう。