今や日本屈指の多国籍タウンといえる蕨。 蕨に1978年に完成した巨大団地「芝園団地」初期の住民たちも高齢化。 90年代ころから空いた部屋に中国をはじめとする外国人が入居しはじめたのがそのきっかけのようで、今では芝園団地の住民の過半数は外国人。 隣接する西川口が多国籍タウンに変わっていったのも、蕨の外国人人口の増加が大きな理由だそうです。 バングラデシュ人のコミュニティがある東十条からも直通4駅。 この日の客も私以外バングラデシュ人でした。 メニューにはビリヤニ、ハリーム、ニハーリといったバングラデシュのムスリム料理が並びます。 ちなみにアルコールは置いていない真面目っぷりです。 ★コカコーラ ¥300 ムスリム社会でお酒のジェネリックドリンクといえばコーラ。 生ビール気分でいただきましょう。 ★ハリーム ¥700 ★プレーンナン ¥300 ちょっと待ってください。 ハリームが小さいんじゃありません。 ナンがデカいんです。 ヒグマが顔パックできそうなサイズのナン・・・ 肉や麦や豆を崩れて溶け合って一体化するまで煮込んで作るムスリム式シチュー「ハリーム」ですが、こちらパキスタン式のドローリと伸びるものとはだいぶ異なる仕立て。 牛肉に加えて豆は6、7種、麦は2種(大麦と小麦かな)、さらに米も2種(バスマティ米・チニグラ米)用いているそうです。 幾分とろみはあるものの、ゴクッと飲める範囲のスッキリ加減。 牛肉は具材としての塊も有り。 さらにフライドオニオンと刻みキュウリがトッピングされ食感の変化も楽しめます。 600円から100円だけ値上げしたそうですが、作る手間を考えたらそれでも安すぎ。同胞向け日常食堂としての矜持なのでしょう。 さて、ハリームに合わせるのはナン、という不文律がムスリムの皆さんにはあるようです。 これはバングラデシュ人にしてもパキスタン人にしても同じで、ライスやパロタなどと一緒にオーダーしようとすると「え・・・」という反応をされることもしばしば。 日本食で言えば「え?糠漬けには食パンじゃなくご飯でしょ」的な居心地悪さなのでしょうか。 ともあれ、こちらのナンのデカさは凄い。 ただ、デカいのだけどかなり薄焼きでかつ、口の中でフワッとほぐれる軽やかさ。 (パキスタンのズッシリしたナンとは真逆ですね) ハリームに付けて食べ進むと、あれだけのサイズだったのがするする消えていきます。 スッキリ完食して、かつ胃もたれなく爽やかな食後感。 ライスと合わせたらこうはいかないでしょう。 よく出来ているものです。 食べている間、向こうのテーブルのバングラデシュ人が現地語で話しているのを聞くと、どうやら京浜東北線沿線バングラデシュ料理どこが美味いか的な内容。 「あそこはビリヤニがイマイチ」とか、「あそこのシェフはバングラデシュじゃなくてインドのコルカタ出身」「へえ!そうなの?」とか。 勉強になります。 毎週木・金・土にはさらにいろんなバングラデシュ料理が提供されるみたいですよ。
口コミ(2)
オススメ度:80%
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バングラデシュ料理は初 ハリームというのとバターチキンのセット ナンはしっとり、バターチキンは酸味がなくいつものとは違う感じ 肝心のハリームは歯応えのあるスープカレー 豆、野菜を煮込んでないからだと思う タイ料理に馴染んでないと好みが分かれると思う
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