栃木県小山市。
この辺りでスパイス料理を食べるなら、筆頭候補はパキスタン料理でしょう。
千葉県野田市および埼玉県八潮市から北の地域は中古車オークション及び自動車部品輸出業に従事する(もしくは取り仕切る)パキスタン人が多数おり、現地食材店や現地式レストランが点在しているんです。
(あとは宇都宮を中心に定着したタイ人コミュニティ由来のタイ料理も面白いんですが、それはまた。)
主に自動車で移動する同胞たちの利便性にあわせ、北関東のパキスタン料理店は駅から離れた街道沿いにあることが多いのですが、こちらは電車アクセスも(比較的)便利。
『LAHORI KHABA HALAL RESTAURANT 』
(ラホーリーカーバーレストラン)
小山駅から徒歩15分ほど。
国道50号線の側道にお店はありました。
『WORLD SPICE & HALAL MEAT MART』という食材店が併設されていました。
先客はパキスタン男性ばかり9人。
うち2人は髭を蓄えたトーブ姿。
ここが日本とは俄かに信じがたい光景です。
テーブルが整然と並ぶ簡素な作りの内装。
お酒を出さないムスリム食堂だけに、お酒の協賛ポスターがあるわけでもなくシンプルなものです。
日本語メニューもあるにはあるのですが、こちらはあくまで日本人向けメニュー。
現地客が集うパキスタン料理店でチェックすべしはホワイトボード。
それが鉄則なんです。
ひやぁ、これは迷いますね。
ビリヤニやニハリにも惹かれますが、ここは東京でもなかなか出会わない料理を。
★MUTTON MANDI ¥1500
この日は祭日の月曜日。
だから「マンディ」なわけではなく元々「マンディ」という料理。
エジプトやアラビア半島諸国で提供される「ドッカン肉乗せ炊き込みご飯」みたいなイメージでしょうか。
乗っかる肉はタンドリーチキンのこともありますが、こちらは骨ごとスライスされたヤバめなサイズの羊肉。
炊き込まれたバスマティライスにはクミン、グリーンカルダモン、カシューナッツ、ベイリーフ、千切りの生姜、少量のクローブとたっぷりの青唐辛子。
油のギットリ感はあるものの、ビリヤニにように米単体で料理として成立しているわけではなく、あくまで濃厚でボリュームたっぷりな羊肉と合わせていただくご飯のようです。
羊肉は骨ごとスライス。
(たぶん隣の食材店で売ってる)
マライティッカのようなソースでマリネされ焼き上げている様子でかなり濃厚な味付け。中は少し赤身が残っている感じでした。
この羊肉を骨からほぐし取り、時には骨ごとかぶりながら米に合わせていただきます。
時折青唐辛子を齧った時以外、辛さはありません。(ライタの出番が少ないな・・・)
★スプライト ¥200
食べ進むにつれ口内が油と脂で満ち満ちてくるのでコーラかスプライトは必須。
実際、ライスは700gくらいあったでしょうか。
他のメニューも気になりましたが、一人では到底無理無理無理!
2人以上での訪問をお勧めします。
隣りのテーブル(パキスタン人の名士と思われる4人組)には直径30cm以上の鉄鍋でそのままカラヒの提供。
その奥のテーブルの2人組の目の前には丸ナンが6枚山積みに。
何から何まで、ここが日本とは思えない空気感です。
Paypayが使えるところだけが日本です。